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第9話 一等操縦士の国家記述試験

 あれから十日程して事前審査込みの見積もりが送られてきた。

 楓に計算させた所、ハードのオーダー品であの性能にクローンの性能も合わせて考えるとこんな物じゃないかという返答だったので正式に契約して作業を進めてもらう事にした。

 その際、俺の赤ん坊の頃の写真や子供の頃や昔の写真を送ってくれる様に言われたので送ったが、何に使うのか疑問だった。

 だから聞いてみればこのままクローニングしても筋肉を動かさない所為で、別人の様な姿形になるので筋肉を今の俺の姿形になる様に動かしていく参考モデルにするのだという話だった。

 


 -6ヶ月後-

 

 学校での座学も終わり復習に入っていた所で1ヶ月に1度の一等操縦士試験記述があるので受けてみようと思い立ち、予約をこの間した。

 すると、間もなく始まる宇宙コロニーでの試験日に受ける事になった。

 今回は合宿所ではなく、宇宙コロニーにある試験会場で一等操縦士国家記述試験が始まる。

 実技試験は学校に行ってる者は学校で行われるが、それ以外は記述試験の後に行われる実技試験をクリアしなくてはならないらしい。

 俺は学校に言っているのでそちらで受ける。

 ちなみに楓も同じ試験を受けている。おれがうけるといったらわたしも受けると言うので2人揃って受付したのだ。

 緊張してるのか、電子サインペンを出そうとして落としてしまう。

 それを楓が取ってくれて渡してくれた。


「緊張してるのですか?オーナー」

「ああ。どうやらそうみたいだ」


 すると楓は何か考えて、お茶を飲む様に勧めてきた。

 勧められるままにお茶を飲むと、少し時間が経つとすぅっと緊張がほぐれてきた。


「なんか、勧められたお茶を飲んだら緊張がほぐれた様だよ」

「それは良かったです。このお茶は緊張緩和の効果のあるお茶ですので効果が効いて良かったです」

「ありがとうね」

「いえいえ、なんてこと無いですよ。では試験頑張りましょう!」

「おお~!」



 今日はオーナーと一緒に一等操縦士の国家記述試験を宇宙コロニーに受けに来たんだけど人少ないなぁ。

 それにオーナーの顔色が少し悪いみたいで心配だなぁ。

 あ!電子サインペン落とした。良く見ると手が少しだけ震えてる。

 緊張してるんだ。

 私は電子サインペンを取ってオーナーに渡した。


「もしかして緊張してるのですか? オーナー」

「ああ。どうやらそうみたいだ」


 こんな事もあろうかと緊張緩和剤入りのお茶を持ってきて良かった。

 渡す方法を少し考えて、結局素直に勧める事にした。


「リラックス効果のあるお茶を持ってきているんですが、如何ですか? オーナー?」

「そうだな……貰おうかな」

「それじゃあ持ってきますね、少しの間待っていて下さい」


 そう言って私は緊張緩和剤入りのお茶を取りに行った。

 お茶を持って帰ってくると水筒の蓋のコップにお茶を入れてオーナーに渡す。

 オーナーは疑問も持たずに緊張緩和剤入りのお茶を飲んだ。

 飲んで暫くすると、緊張が抜けてきたのかオーナーの顔が強張ってたのがほぐれてきた。

 私もオーナーが飲んだ後のコップにお茶を入れて飲む。

 …………間接キスだ! えへへへ。

 間接キスに頬が赤くなってくる。

 緊張緩和剤とは逆に少し緊張したけど、適度な緊張も大事だよね!



 試験が終わった後で30分程試験の結果を待っていた。


「試験、合格してるよな?」


 俺は不安でつい口に出してしまう。

 

「オーナーはあんなに頑張ったんだから試験合格してるよ。私の方が答えずらして間違えたかも」


 楓の心配は無用だと思うけどな?

 

「いや、楓は間違いを犯しそうだけどそんな初歩的な間違いは犯しそうにないから大丈夫だよ」

「そうかな? どっちかと言うと初歩的なミスの方がしやすそうだと思うけどな?」

「案外ちゃっかりしているから大丈夫だよ」

「案外ちゃっかりってどう言う意味よ!」


 人が飲んだ後の水筒の蓋のコップでお茶を飲んで間接キスだと呟いたの聞こえていたからな。

 そういう所がちゃっかりしていると言うんだけど、これを本人に伝えるのはちょっとな。

 

「いや、クローンの打ち合わせにに付いてくるなと言ったのにちゃっかり付いてきた実績があるだろうが」

「あ! いや、それはその…………過去の事は忘れましょう?」

「ほらな、案外ちゃっかりしている」

「もう!」


 楓が怒った所で宇宙ネットのメール着信音が鳴った。

 見てみると、今から1分後に合格発表をするので見るようにと言うメールだった。

 

「あ! そろそろ宇宙ネットに合格発表が出るみたいだ。速報で発表するので見てくれとのメールがあった」

「どうか受かっていますように!」

「な301,な301……あった!」

「な302、な302……あったわ!」

「2人とも受かってた様だね。良っかった~!」

「本当にね!!」

 

 二人して嬉しくて思わず抱き合った。すぐに気付いて離れたけれども……。

 その後は2人でお祝いに食事に行ったけど高い店はドレスコードの関係で行けなかったのでちょっと高いレストランぐらいの所で食事を取り、お互いに祝い合っていた。


 ……まぁ、俺はその後に2大宝くじをいつもの様に購入して楓にあきれられていたけれど。


気に入っていただけたらブクマと★の評価をお願いします。

カクヨム様にて先行で投稿しています。

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[良い点] 波乱万丈な海賊の冒険! [気になる点] 多元宇宙からの好評! [一言] あなたと私の小説が化学反応を起こしてほしい
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