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掴まれていた髪の毛から手が離れた。
何本か髪の毛が抜けた気がした。
ジャクリーンと呼ばれた女は視線を一人から離し、近づいてきた女に向けた。
「あ、トワイ。みて、これ。」
ジャクリーンは一人を指差した。
トワイと呼ばれた女は指差されている一人には見向きもせず、ジャクリーンの頬に手を添えた。
「まさかもう加護を使われたんですか!?スズ様が知ったらお怒りになりますよ!こんな得体の知れないものとなんて…。」
「加護って言うな。使ったけど。スズにはお前が黙っておけばバレないって。今、意識ないんだから。」
一人の頭上で自分の知らない単語が飛び交っている。
分かったのは、黒髪はジャクリーンという名で、銀髪はトワイという名ということ。
普段、日本ではあまり聞くことのない名であり、ここが日本ではないことを実感する単語だった。
「消毒しなきゃ。」
トワイは下に座り込んでいる一人に視線を一瞬落とし、ジャクリーンの唇に自身の唇を重ねた。
他人の濃厚なキスを見て、ジャクリーンとのキスが気持ち良かったこと、初めてキスした相手が違う相手とキスをしていること処理しきれない情報で、一人の脳はまた働くことをやめた。
目の前が黒になり、一人の意識はまた途切れた。




