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第2章–6–
「さぁ、スズ様、行きましょう。」
トワイはスズを軽々とお姫様抱っこし、スズの耳元にキスを落とした。
降ろしてと一度だけスズは抵抗し、諦めてそのまま抱えられたまま進んでいく。
「あ、そう言えばジャクリーン様が見える眼をこの男持ってるって言ってましたよ。」
「え?なんですって?」
最初に目が覚めた時に聞いた、見える眼という単語がまた出てきた。
その真相を聞こうと思ったが、ドアは閉められ、アイラと一人は部屋に残された。
ドアが閉まる音がやけに響き、一人はアイラの顔を見た。
その目が変わらず、こちらを睨んでいるのですぐに一人は目を逸らす。
「おい、カシマカズト。体を清めてこい。」
アイラは戸棚を開け、タオルを一人へ投げた。
投げられたタオルをキャッチし、これはどういうことだろう?とタオルを握りしめる。
「あ、あの、それってどうすればいいですか?」
きっと心ではぁ?と思っているのだろうなという顔でアイラはこちらを見る。
「お前らの世界では知らんが、まず湯を浴びて来い。その汚い体を洗え。」
そんなに汚くないのに…と思いながら、はい。と小さく返事をした。
アイラは扉を開け、スッと腕を真っ直ぐ伸ばした。
「湯浴び場は突き当たりにある。さっさとその汚い体を洗え。」




