第八章あらすじと第七章までの設定
第八章予告
消えた従者を救出すべく、水鞠コトリは魔法トレーニング施設へ自身の魂をダイブさせる。
だがそれは、脱出不可能なゲーム世界への入口だった。
果たして日高はコトリを現実世界へ脱出させる事が出来るのか。
日高の真の実力が、ついに開放される。
第八章 ゲーム世界と魔法攻略
ゲーム世界を舞台に戦う日高誠の物語です。
ここではいくつかの伏線回収や日高の成長、意外な人物達の関係性などが描かれます。
いわゆるゲーム世界へ行って、何だかんだあって帰って来るだけ、みたいな番外編的なものでは無く、ガッツリ本編となります。
書きたいものは書けました。どうぞ最後までよろしくお願いします。
〈七章終了時の登場人物紹介 設定など〉
※予告無く修正される場合があります。
※読まなくても問題ありません。
[日高誠]
高校一年生。
髪型は無造作な六四分けで、いつも眠そうな顔をしている。
父親の影響で古いゲームとアニメに詳しい。
六年前。自分の行動が原因で妹が危険な目に遭ってしまう。
その時から、全ての物事を遠避ける様になっていた。
コトリと出会う事で本当の願いを知り、本来の自分を取り戻す。
使用魔法は引力魔法。
能力範囲内の物なら引き寄せる事が出来る。
範囲外の物は暴走状態のみ引き寄せ可能だが、何故か時間を越える。
後に十二体の像換獣を操る魔法使いとして成長する事になる。
【日高が契約した像換獣】
*先頭の数字は魔法格納庫の番号
零 猫目青蛙
ナンバーゼロの格納庫に隠れ住むカエル型像換獣。
悲しみの淵に立たされた水鞠コトリを癒す為、今は亡き祖父の水鞠七兵衛の手により作られた。
水鞠七兵衛の人格をベースにした魔法人工知能を持つ、像換獣の王にして頂点。
像換獣の修復や改造が出来る他、人払いの結界など一部の魔法を使用出来る。
その能力とシステムの詳細は後に語られる事になる。
パクリコンテンツである白猫ムヒョーをベースにしている為、召喚時には様々なアニメをオマージュした演出で登場する。
一 火喰甲魚
熱の魔法エラーを修復する古代魚型像換獣。
氷を触媒としていて、炎に対しても一定の耐性と修正能力を持つ。
最古の像換獣のひとつで、癖が強く扱える者は少ない。
結晶体に攻撃が出来る希少な像換獣。
一 火瑛甲魚
火喰甲魚の別の姿。
改造後の火喰甲魚には一つのコアに二つの触媒を使用する「ダブル触媒システム」が搭載されている為、召喚時に二つ目の触媒である魔法花火を選択する事で火炎を纏う古代魚の姿になる。
水鞠七兵衛が己の信念を捨て魔法使いとの戦闘能力を与えた現在唯一の像換獣。
結界を砕く「火炎の牙」、対象の行動を封じ込める「炎の渦」などを使用出来る。強力だが起動が遅い。
二 水盾甲蟹
水を弾く能力を持つカブトガニ型像換獣。
傘代わりになる。
消費魔力は少なく手軽に使える反面、ビニール傘並みに脆い。
三 電伝六蟹
電気と電波の魔法エラーを修復する蟹型像換獣。
その力は弱く、扱い辛い上に故障すると電撃を放出する。
四 風麟海月
宇宙の魔法エラーを修正するクラゲ型像換獣。
像換獣の始祖で、この像換獣から全ての像換獣が派生していると言われている。
世界で唯一、日高だけが契約に成功している。
現在は爆弾化している状態で、日高の魔法格納庫内で改修作業中。
五 土煙田亀
土の魔法エラーを修正するタガメ型像換獣。
限定的ではあるが、魔法迷彩により契約者の存在を周りに認識出来なくさせたり、無機物の物体を長期間隠す事が出来る。
また、土煙を起こして物理的な煙幕を張る事が出来る。
※以下は日高が引き寄せた像換獣
水納菊石
※未契約
水のエラーを修復するアンモナイト型像換獣。
水鞠家の湖の底や魔法機器の要所などに設置されている。
摩操海亀
※未契約
摩擦のエラーを修復する海亀型像換獣。
[水鞠コトリ]
水鞠家の当主。
魔法による改変現象を最低限に抑える為、パンチのみで解決する。
日高との再会を願い、結晶体を生み出したが、最後は自らの手で破壊した。
奇跡が起き、日高と再会し今に至る。
科学部で日高達「魔法暴走者」を管理し、教育している。
猫の様な瞳、短く揃えられた前髪、針金の様に真っ直ぐな長い髪。
パンツは水色。
シュガーラスク味が好き
【水鞠家の従者】
当主直属の魔法使いは現在三人。
戦闘時などはコードネームで呼ばれる事が多い。
[弓の魔法使い 火咲花奈]
水鞠家最強の証 エースナンバーを持つ魔法使いにして最強クラスの魔法使い「雷旋のワタヌキ」の弟子。
弓形の結晶具「炎環の弓」による火の魔法で戦う。
幼い頃タイムスリップした日高と出会い、封印されていた実力を発揮できる様になった。
日高には好意的で、他の従者と対立する事もある。
背が低く、茶色のフワフワな髪。
目は大きく、鼻と口は小さい。
日高の理想の女性像そのままの姿をしている。
魔法特性の発現条件である「理想の自分」になる為のステータスに能力を全振りしているので、それ以外はかなりのポンコツ。
魔法アバターは茶色い犬のヌイグルミ「弓犬」。本体とアバターでは性格が違う。
飼い犬の名前は「アルク」。
日高への恋心を断ち切った事により、戦う相手が圧倒的に有利になる「呪い」から開放された。
[壁の魔法使い 真壁スズカ]
壁のコードネームを持つ魔法使い。
板状の立体魔法陣でも戦えるが、基本的には防御魔法専門。
魔法機器に精通していて、水鞠家の魔法システム制御を担当している。
火咲花奈とは仲が悪く、日高を敵視している。
金髪碧眼ツインテールのギャルで怪しいギャル語を話す。
魔法アバターは金色のヤカンに手足の生えた「壁ヤカン」。
何気に高スペックで生活力がある。
[鳥の魔法使い 橘辰吉]
魔法局の契約魔法士だったが、火咲花奈との契約決闘に敗れ水鞠家の従者となる。
レアな音魔法や特殊結界、魔眼などを操る実力者。
眼鏡をかけた優男だが性格に難あり。
魔法自転車のマニアで、いつも破壊されている。
愛車の名は「ブルー鳥ブレイブ号」※大破
魔法アバターは青いオカメインコの姿をした「鳥吉」。
辛い物が好きだが身体が受け付けない。
私服のセンスが絶望的。
今は東谷高校の音楽教師として勤務している。
[綿貫慎太郎]
水鞠家の管理地に間借りして魔法商店を営む怪しい五十代の男。
その正体は先代当主直属の魔法使い「雷旋のワタヌキ」。
先代の死後に魔法使いを引退していたが、魔法花火大会を機に復帰した。
復帰後の魔力は全盛期の半分以下になっているらしい。
積層結晶魔法「轟雷旋」は弟子である火咲花奈にも「轟炎旋」として伝承されている。
丸坊主に黒縁眼鏡。蕎麦打ちが得意。
[忍渡ユウ]
新たに覚醒した魔法使い。
特殊結界の使い手で、水鞠家の従者候補生でありながら、魔法局の東のトップ ムヒョ山ニャン子と契約している。
日高の妹の友達で、本気かは謎だが何かと日高にアプローチして来る。
火咲花奈が管理者。
[坂鳴チカ]
真壁スズカの弟子。
像換獣との契約効果で、熱や日差しにめっぽう強い。
十五歳だが日高には上から目線。
女性から見ても可愛いらしい容姿をしている。
[時雨ミツトシ]
東谷駅前の魔法喫茶店で働く大学生。
金髪で色黒。土魔法の名家 土雲家にルーツを持つ魔法使い。
綿貫を尊敬している。
[水鞠七兵衛]
水鞠家先代当主。コトリの祖父。
七年前に他界。その後コトリが当主となる。
水鞠家随一の魔法技師にして像換獣創作者。
像換獣の改造や制作する事で魔法士業界に大きく貢献した。
[美輪川クロセ]
引退した元水鞠家指南役。
「斬鋼」の異名を持つ格闘系魔法使い。
魔力は殆ど失われているが、強力な像換獣「鋼太刀魚」と契約しており、戦闘力は決して低く無い。
魔法面接の後、日高を弟子にする。
[美輪川ナナセ]
引退した魔法使い。クロセとは兄弟。
格闘術に長けた魔法使いで、水鞠家の執事にしてコトリのボディーガード。
「烈拳のナナセ」と呼ばれ、条件次第では現時点でも最高戦力となる。
日高の友人たち
[志本紗英]
文武両道、容姿端麗、学校のアイドル。
常に結晶体に狙われる、魔法使い業界の中でも有名人。
性格は少し惚けた所もある。
日高とコトリの出会いで未来が変化し、魔法の杭が反応。
曲げられた未来を強制的に修正。
結果、「ありえないシュチュエーション」を幾つも造り出す。
さらに、日高がコトリを選んだ事でカウンターとしての役割を発動。
魔法使いとして目覚め、圧倒的有利な立場で水鞠家を攻撃した。
魔法ハッカーとしての特殊能力を持つ。
今は日高とコトリの仲を応援している。
歌が下手。
[三ノ宮菜々子]
吉田に恋するクラスメイト。
思い込みの激しい性格で、結晶体を生み出し日高を苦しめた。
痩せ型で色白。長い髪を持つ。
言葉足らずな部分がある。
魔法ではない謎の能力を与えられ、魔法現象を感知する。
結界の出入りが可能だが、その時の記憶は失われる。
水鞠家従者のアバターを二体とも危機的状況まで追い詰めた。
魔法アバター達の天敵。
[吉田玲二]
クラスメイトで友人。
細く鋭い目付きに短い髪、掠れた声を持つ。
外見から誤解されがちだが普通にいい奴っぽい。
勉強、運動、料理と、そつなくこなす。
魔法の素質が皆無で、この世界では特殊能力と言える。
濃いキャラ達の潤滑油になっている。
[日高美希]
日高の妹。
六年前に結晶体に襲われたが、魔法使いによって助けられた。
主張の強い眉毛がチャームポイントで、ショートカット。
日高とは似ていないが実妹。
【その他の設定】
[魔法使い]※魔法士とも呼ばれる。
世界が崩壊した五百年前。
魔法使いは巨大な杭を無数に作り出し、世界中の大地に突き刺した。
それにより世界崩壊は免れたが、未来を改変した反動によって強力な魔法エラーが生み出されてしまう。
魔法エラーや魔法現象を管理すべく、魔法使い達は管理地を結界で区切り、組織を形成した。
一族の当主は管理地内にある杭を護る事を使命としている。
[魔法局]
元々は魔法使いを管理する組織として作られたが、現在は便利屋と化しているらしい。
東の支部のトップはコスプレイヤーであるムヒョ山ニャン子。
部下にレスラー、アフロ他、癖の強い実力者達がいる。
[魔法空間]
魔法使いが持つ魔力の倉庫。
複雑な魔法の錬成を得意とする魔法使いは、魔法空間が広いと言われている。
[魔法エンジン]
魔法を生み出す核。
または魔力を注ぎ込む事で動作する魔法機器。
[魔法アバター]
魔法使いの分身体。
姿は本人の魔法性質に関わる「物」になる。
リアルタイムで本体とリンクしていない為、後で同期処理を行う必要がある。
その際、未来改変に関わる情報は削除される。
[契約決闘]
「魔法の進化」「信念」「誇り」
それらを理由に魔法使い同士での戦闘を行う事がある。
その場合、お互いが結界を創り出し、契約の元に執り行われる。
[魔法の杭]
五百年前に作られた巨大な杭。
壊れると世界が滅ぶと言われている。
魔法での未来改変の影響が一番のダメージとなる。
改変バランスを保つ為、謎の力で常に世界に影響を与え続ける。
[立体魔法陣]
魔法を起動する時に生まれる魔力の結晶。
魔法が完成すると砕け散る。
別の形に再構成させたり、武器として使用出来る。
血の伝承で受け継がれる立体魔法陣の武器を「結晶具」と呼ぶ。
[像換獣](魔法制御装置)
魔法使いの負担を減らす為に作られた生物型魔法ロボット。
小さな魔法エラーを自動で修復する。
修復した際に余剰になった魔力を使い自己を複製する。
増え過ぎるとエラーになる為、定期的に破壊する必要がある。
髪の毛や爪を切る感覚に近い。
魔法使いは像換獣と契約する事で個体を専用機として登録出来る。
契約後は契約者の魔法空間に格納。
魔力を消費して召喚する事が可能となる。
修正能力自体は低い。
強力な魔法使いにとっては契約に意味は無く、魔力の低い者が主に契約している。
杭が傾くと大きな影響を受ける。
[結晶体]
人の願いや恨み、欲望が魔法の暴走によって結晶化したもの。
空間を切り取り、時間を強制的に進ませ改変する「結界」を創り出す。
マネキン人形の様な形で、赤く透き通った体を持つ。
「核」を破壊する事で消滅させる事が出来る。
結晶体が破壊されると結界内の出来事は無かった事になる。
結晶体は時間に応じて三段階に変化して行く。
第一段階
弱いが探知し難い。
本体の願いを叶えたり、精神攻撃を行う。
第二段階
生み出した本体の姿になり、誰からも視認出来る様になる。
能力も複雑になり、破壊が困難になる。
無差別攻撃、物理攻撃を行う。
第三段階
本体に乗り移り、強力な未来改変が可能になる。
改変能力は本体の魔力に比例する。
ダメージを与えると本体ごと死ぬ場合がある。
杭に影響を与える能力を持つ。
本体が願いを自覚しないまま結晶体を生み出した場合、核は生成されない。
破壊しても無限に再生し続ける。
また、確定した未来を改変した場合、条件によっては無限に湧き出る結晶体が発生する場合がある。
原因を突き止め、改善する事で回避出来る。
[カウンター]
主に世界の修復が進み過ぎた時に出現。
魔法の杭から生み出される、魔法使いを妨害する能力者。
世界のバランスを保つ為に必要な存在。
三ノ宮菜々子はカウンターの能力を持っている。
[東谷高校]
日高が通う高校。
実は魔法に関わる人間達をまとめて管理する為に作られた魔法実験施設。
狙った様な効果は得られていない上に問題が山積みになっている。




