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第三十八段 名利に使はれて(4)

(原文)

ただし、しひて智をもとめ、賢を願ふ人のために言はば、知恵出でては偽あり、才能は煩悩の増長せるなり。

伝へて聞き、学びて知るは、誠の智にあらず。



(舞夢訳)

ただし、名声を求めるわけではなく、純粋に知識を求め賢者になろうと願う人のために、あえて意見するならば、知恵が生じることにより、偽りも生じるということになる。

才能というものは、煩悩が成長した結果なのである。

そもそも、人から伝え聞いて、学問をして得た知識などは、本物の知恵とは言えない。



財産を得る、名誉を得ることも無益。

名誉や財産を求めなくても、純粋に知識を求めるだけでも、結果的に余計な偽りが生じてしまう。

これは、「学者馬鹿」のことなのだろうか。

学問にのめり込み、周囲を全く顧みなくなる。

自分が優秀だと思い込み、やがては独善的な態度を取るようになる。

その独善が過ぎ、他者の論を認めようとしない、これも執着と煩悩のなせる結果としか言いようがない。


「人から聞く、本で読んで得た知識は、誠の知恵ではない」は、その通りだと思う。ただ知っているというだけで、自分で考えたことではなく、丸暗記の単なる変形に過ぎない。

言い換えれば、雑誌に載っていた「美味しい料理」を作りもせず、食べもせずに「美味しい」と言うような感じだろうか。


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