↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
75/143

大量のオームボアの死骸が消えた理由(4)

【今回の登場人物】

クラ…国王陛下の孫娘

マルセル…ミスズの父・ラマノ商会の経営者

ムツキ…"雑貨屋 旅のしっぽ"の共同経営者

 翌朝、俺は王宮の人へお願いして桃耳ウサギを一匹用意して貰った。


 桃耳ウサギは一応魔物とされているが、話を聞く限りは普通のウサギと変わらない。王都でもペットとして飼われている程なので襲われる心配も無く安心して実験する事ができる。


「国王様、この度は治療と……そして桃耳ウサギの手配ありがとうございました」


 薬草が効いたのか俺の足はすっかり良くなり、多少の痛みはまだあるものの一晩で自由に歩けるまでに回復していた。


 俺は国王様とクラちゃんにお礼を言い、ハイウルフの売却報酬を受け取って例の検証をする為にバスへと移動した。


 桃耳ウサギを捕まえエンジンをかけたバスにそっと触れさせると、いつもの通り一瞬にして体から力が抜け動かなくなってしまった。


 桃耳ウサギを檻に戻し、トランクルームの中へ入れて俺は運転席に座る。


「よしっ」


 ゆっくりとアクセルを踏み込み、王宮を後にした俺はミスズの屋敷へと向かった。


「ミスズ、大丈夫かな……」


 屋敷へ着くと既に顔見知りとなった商会の人々がすぐにミスズへと連絡をしてくれた。そのまま応接室へと通された俺が暫く待っているとミスズと一緒にマルセルさんもやってきた。


 ミスズを危険な目に遭わせてしまったので、マルセルさんは怒っているに違いない。覚悟をしていた俺だったが、マルセルさんから出たのは意外な言葉だった。


「また娘を守ってくれたそうだね、本当にありがとう」


 えっ? という表情をする俺を見てマルセルさんは続けた。


「ちゃんと話は聞いているよ。この国にいる以上魔物に襲われるリスクは常に存在する。それが安全とされる王都の中でも例外は無い。実際に今回のように死んだと思っていた魔物が生きていて返り討ちにされたという事件は他にもある」


「……そうなんですか?」


「今回は娘が死亡確認をしていたそうじゃないか。何も責任を感じる事は無いし、むしろこちらの責任だ。それよりもハイウルフ相手に必死で娘を守ってくれた事を感謝したい」


 ミスズがハイウルフの死亡確認をした……? 確かに一緒にバスに運び込みはしたもののそんな大そうな事はしていない筈。ミスズを見ると苦笑いしながら舌をペロっと出している。


 話盛ったな。


「シュウ君、もう身体大丈夫なの?」


「うん、王宮で塗って貰った薬草が効いたみたいでもう痛みは殆ど無いよ」


 マルセルさんに見送られながら俺とミスズはバスに乗って一緒に "雑貨屋 旅のしっぽ" へと向かった。ミスズはと言うとバスに乗り、運転席の方を見た途端に顔を赤らめ目を合わせてくれない。


 やっぱり昨日いきなり運転の手伝いをお願いした事を怒ってるのかな……いきなりこんな大きな乗り物を動かせって言われても混乱するよね……。


 お互い無言のまま "雑貨屋 猫のしっぽ" に到着し、バスから降りた俺はトランクルームから桃耳ウサギの入った檻を取り出した。


「あー、桃耳ウサギ! シュウ君私に内緒でこれ飼うつもりだったんですかっ!」


「いやそういう訳じゃ……」


「あれでも……寝てるんですか?」


「ほら昨日魔物が生き返ったでしょ、俺はバスに接触した魔物は死ぬ物だと思い込んでいたけどもしかしたら時間が経てば生き返るんじゃないかって思ってね。王宮で用意して貰った桃耳ウサギで実験してるんだ」


「えー! かわいそうじゃないですかっ!」


「あのミスズさん……桃耳ウサギも魔物じゃないんですか……子供が狩りの練習に使うって前に言ってたし……」


「それはそれですっ!」


 俺たちが店に入ると同時にムツキが駆け寄って来た。


「また昨日も突然居なくなって! ってどうしたんですかそのケガ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お読み頂き有難うございます。

日刊更新を目指し頑張りますっ! 皆様からのブックマークや評価・感想などが執筆の励みになっております、どうもありがとうございます。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。