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買い物

自己満足作品ですが、暇潰しに読んでくださる人に感謝。


 宿屋の娘と市場まで買い物に出ると通りすがる人に声を掛けられるか、なにやら恨めしそうな視線を送られる。


 例えば


「あら、ついに好い人が見つかったの良かったわね」


 とか


「と、隣の男性はだ、誰だ」


 など


 他にもあるが、だいたいで宿屋の娘は。


「違いますよ、宿屋のお客様で買い物を手伝ってくれているんですよ」


 と間違えを正したかと思えば。


「私の家(宿屋)の大事な(収入元として)ひと(お客様)です」


 何故か言葉を暈す、するとその言葉を聞いたのと聞いていた男共の敵意がこちらに向いてくる。

 おお、感情で人が殺せる様な殺気を浴びながら歩くのはちょっと疲れるな、と思っていると宿屋の娘は立ち止まり振り返る。


「おに~さん、着いたよ、こんにちは」


 食材を売っている店に着き亭主に挨拶をする宿屋の娘。

宿屋の掛け声で商品を整理していた年配の亭主は宿屋の娘に気が付く。


「おおいらっしゃい、宿屋のお嬢ちゃん」


「今日のオススメは何ですか?」


「それなら・・」


 亭主と宿屋の娘は会話が続いていく、少し離れた所から眺めているが、いまだに収まらない憎悪の類いの視線が、腰回りに手を伸ばすが空を切る、武器を宿屋の部屋に置いてきたのを忘れていた、戦場ではないのに何かしら命の危険を感じている。


「お兄さん、これ持ってください」


 買い物をした品物が大量に入った袋を指差す、持ってみるとずいぶんと買い込んだ様ですごく重い、流石に女の子が持つには辛いな。


「すごいですね、やっぱり男の人ですね、何時もならお母さんが持つのですけど」


 え、宿屋の親父じゃなくて、あの細腕の女将さんかよ、すごいな。


 食材の買い出しが終わり、帰路を宿屋の娘と並んで歩く、宿屋の娘は他愛もない話をしてくる、こないだ客同士の喧嘩が有ったが宿屋の親父が出てくるとピタリと止まったとか、軍の募集が出ていて血の気の多い若い人が行くとか言っていたなどを話していると、こちらを見てすれ違う通行人に気が付かなかったのか肩がぶつかる。


「きゃ」


 倒れ込みそうな宿屋の娘を荷物を持ち方を変えて腕を空けて支える。


「すみません、お兄さんもありがとう」


「おい、嬢ちゃん人にぶつかっておいてそれだけかよ、あー」


 肩がぶつかった相手はいかにもな流れ者の荒くれ者達の様だ、つまり同業者だろう。


 連れがすみませんと宿屋の娘を背に隠す様に荒くれ者の前に立つ。


「あー、なんだ、にーちゃん、この嬢ちゃんの男か?、ちょっとその嬢ちゃんを貸してくれないか」


 荒くれ者達はゲスな笑いする、確かにこちらも悪いし、こういった輩達なのは知っているので、丁寧に断るがそれが気に入らない様で癇癪を起こす。


「詫びをしろっていってんだ、邪魔するな」


 掴みかかって来る荒くれ者は傭兵を掴んだ瞬間、膝から崩れ落ちる、状況は分からないが傭兵が何かをしたことは分かる他の荒くれ者達は武器を抜く。


 残りは二人、長剣と二刀のナイフを手に持ち距離を図っている、傭兵は腰に手をやり何時も有るものを思いながら、宿屋の娘を後ろに下がる様に伝えて、荷物を足元に置く。


 周囲は人集りが出来て下手に避けられない、長剣を持った男が振りかぶると同時に踏み込み拳をグリップ部に叩き込む、グリップを握っていた指に当たり長剣を落とすと同時に顎に掌底を喰らわせてダウンさせる、背後に気配を感じ軸足で反転して首筋を狙って来たナイフをスウェーバックで躱す、空振りしたナイフを確認して身体を戻すしながら顔面に拳を叩き込み鎮圧する。


 ふー、どうにかなった、前に同業者から無手の使い方を教えてもらっていて助かった、あと何人かいたら一目散に逃げてたな。

 なんか周囲が静かだな先程までの喧騒が無いな。



「・・・すげーぞ、にーちゃん」


 とかの言葉が一斉に溢れた、静寂から一変して再び喧騒を覆う市場、宿屋の娘も駆け寄ってくる。


「お兄さんありがとうございます、本当にお強いですね・・・あそれ」


 宿屋の娘に言われて腕を少し掠ったようで血が出ていたが、皮一枚なので直ぐに止まるだろうと思って放置しようとするが。


「ごめんなさい、これで止血します」


 宿屋の娘が髪に着けていたリボン解き、傷口を覆う様に腕に巻く、その間も住民たちが、スーとしたよにーちゃんとうの賛辞を投げ掛ける、そこに憲兵と思われる騎士達が到着する。


「この騒ぎは一体なんだ」


 憲兵の隊長らしき人物が騒ぎ立て、近くにいた住民に話し掛け状況を確認してこちらに向かってくる。


「貴様が今回の騒動を起こしたのだな、詳しく話を聞く詰所まで来てもらうぞ」


 宿屋の娘が心配そうにこちらを見る、頭を撫でて大丈夫と言った時に丁度宿屋の親父が騒動を聞き付けて走ってきた。


 宿屋の親父に娘を任せて、憲兵達に連れられていく傭兵、頭を掻きながらままならないなと思いながら歩く。

ここまで読んでもらいありがとうございます、次回更新は気まぐれですが、評価等の何かを頂ければ頑張ってみると思います。

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