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報酬と新しい主人

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かもしれません



 戦場で投降した後に両手を鎖で縛られて荷馬車に放り込まれた、たったひとつの局地戦が終わっただけなのだからこれで戦争が終わるわけが無い。


 今は多分最低限の兵を戦場に残して本陣に撤収しているのだろう。

 両軍の被害がどのくらいは知らないが、両軍の総数は掴みで一万程だった事を考えると、死者は四千人位だと思う。

 そんなことを考えていると眠気が襲ってきた、生き残ったことに感謝をしながら眠ることにした、処刑をするなら寝ている間に処刑をして欲しいものだ。


「おい、起きろ」


 どうやら寝ている間に処刑はされなかった様だ、荷馬車から降ろされ周囲を見渡すが予想していた目的地とは違った


 てっきり前線の砦に向かっていると思ったが、眼前に広がる景色は村娘達が洗濯をしている姿と畑仕事が終わり農具を肩に歩いている姿が有った


 二度程の瞬きと自分の手を抓ったりして幻か夢と思ったが、幻や夢では無いようだ、しかし、何故ここに連れてこられた理由が分からない。


「いつまで呆けている、こっちだ」


 騎士の鎧を身に纏った男に呼ばれ後に付いていく


 農村と思われる道を歩く最中、色々な視線に晒される、憎しみ、恨み、好奇、熱視線等で見られている、前半の感情は敵軍の捕虜に対してだろう、後半は腕を鎖で縛られている男が歩いているのが珍しいからだろう


 人々の視線を避けるように農村から離れていくと、一際大きい建物の前に辿り着くと騎士が門番に声を掛ける

 門番から敬礼を受け扉が開き屋敷の中に入る、騎士が従者に声を掛けると従者が部屋に案内をすると、従者達に身ぐるみ剥がされて、身体を拭かれると新しいお召物が用意されていて、それに着替えされられた


 何故か腕の鎖も外された、椅子に座って待っているように騎士から言われた、不思議なことに食事が用意された軽い食事を採る。


 食事が終わり少し時間が開いてから扉が開かれる、最初に騎士が二人入ってきて後に立つ


 そして戦場で見た美しい髪を持った女性が室内に入ってきた、女性が椅子に座る、女性の後に更に騎士が二人立った


 何だか凄くこちらの事を警戒していると思う、丸腰に対して完全武装した騎士が四人とは部が悪い処ではない、大人しく椅子に座っていると、女性が口を開いた


「そち、我が軍に入れ」


 うーん?

 予想していた話とは違った、軍の設営地や情報を聴かれると思っていたが、確かに尋問するなら食事や着替えをさせる訳がないか、しかし、そんなにこちらの陣営は人材不足なのか?と聞く


「そち、自分の力量が解っておらぬのか?」


 自分の力量?

 死なないように戦場で立ち回ったが、評価されるような事は一つもしていないと答える


「いやいや、そち、あの戦場での立ち回りは鬼神を彷彿させる動きであった」


 いや、死物狂いで何したか覚えてないけど?


「真か?、我が見たのは、歩兵同士の衝突が始まり、我がの軍の第二斉射が整い斉射号令を掛けた時に、歩兵数名抜け出てきたが斉射で敵本陣に直撃して混乱し始め、そち以外の歩兵は直ぐに部下達に寄り片付けられ、歩兵部隊も我が軍が圧勝して敵本陣に雪崩れ込んだ、それを見て勝利を確信ら次の瞬間、部下達を切り伏せながら前進するそちが見えて、いつの間に我の首に刃が宛てられておった、その姿を見て我が軍に欲しいから連れてきてた、どうだ私に忠義立てをするなら家族共々を我が方で安全に暮らせるぞ」


 断ったらどうなる?


「惜しいがそちの首を跳ねる、敵軍に帰られるぐらいならな」


 ですよね~


「して、そちの返答は?」


 家族はいないが、命は惜しいし、忠義立てする気は無いが金の分だけは仕事するよ、金さえ貰えるならどこでもの構わないよ


「報酬?、そちは従騎士か騎士ではないのか?」


 いやいや、一傭兵ですよ、こんな僻地に歩兵をやってる騎士は分隊長ぐらいだし。


 とこの姫さんに言うと傭兵だった事がショックだったのか、女性は唖然としていた。

 騎士だと思っいた人物が、只の傭兵だったらそうだよな。


 ショックから立ち直った女性は笑みを浮かべる、こういった場面での笑顔は恐いね本当に、特に綺麗な女性なら尚更だね。


「傭兵なら忠義が無いだろ、今回での報酬も払ってやる、どうだこっちに付くか?」


 なんとも気前が良いな、出ないと思っていた報酬も出してくれるとはね、まぁ報酬さえ払って貰えるならどんな戦場でも行くさ。


 その言葉を聞いた女性は手を差し出してきた、こちらも手を差し出して握手を交わす


「その言葉を確かに聴いたぞ、我の名はダイアナ、そちの新たな雇い主だ」


 ダイアナと名乗った笑顔を観て早まったことを言ったと思ったが、しかし、こちらは根なし草だし今に始まった命の安さじゃないな、ダイアナの手の柔らかさ感じながらそう思った


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