表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

忌忌しき解決編

「当言う訳ですよ、お父様」

「なんだー、おめさ、学校に行ってまでそげなみょうちくりんなこと調べて

そんなんじゃすぐはげるぞ」

「いえ、お父様の為なら、それにお父様のいがぐりぼうずは、いまだにツンツンです」

「そげなことは、ええだ、それにしても妙だな」

「何がなのですお父様」

「そうだな、おらがこのアパートの管理人さんとこに行った時だべ、管理人さんは、このアパートの人は

人好きあいっちゅうもんが、酷く酷く苦手な変人だっちゅうことだった、しかし、昨晩は、酒は出るは、話はおもしれえは、酒は出るは、酒は出るは、いやあ、あの麦焼酎、あれはうんめーぽかったな勿体ない」

「そう言えば、昨晩、三升飲んでもけろりとしているお父様が」

「そうなんだ、どうも味がおかしいが、ただ、酒であるがゆえにだ、我は、飲みに飲みに飲んだのであるが、いつの間にか眠りが近づいた」

「・・・確かお父様、薬にもお詳しかったですよね」

「ああ、そうだ、ありゃ塩酸ジフェンヒドラミンが、おおよその、俗にいう睡眠つうもんだな」

「良く分かりますね」

「そりゃぁあ、探偵っちゅうもんは、そういうもんだ」

「さすがおとぉさま」

「よせやい、てれる」

「それで犯人はお判りでしょうか」

「あぁあ、それだそれだ、このことだけでわかんべえことは、管理人さんっちゅうおひとは、どうも何かを隠したい、もしくは、記憶があやふやな精神、もしくは、もう一人いるっちゅことだ」

「それは、どう言う事なんです」

「うむ、その答えになりそうなことは、おめえの持ってきちまった話にあるべぇえ」

「私の話にですか」

「ああ、さすがおらの子だ、さすがというしかねえだ」

「おやめください、照れますだ」

「っお、普通の言葉に戻っただな」

「あっ・・や、これはちがうんだ」

「まあいいや、今朝、柚希が、人を見間違えたと言う事だんが、これがもしも、ほんとだとしたんら

それはどう言うこだと思うんかい」

「・・・それはつまり、何者かが、死体を入れ替えたと」

「それもあるかもしれんが、しかしな、あまりにも現場ちゅうもんが、綺麗過ぎたんだ

これどう思うんか」

「・・・見間違えたとか」

「当たらずとも遠からずってとこだんべえな」

「じゃあ、どう言う事なんですか」

「うんだ、あれは、女だった」

「女」

「ああ、そして今警察で取り調べを受けてるっつうのが、たぶんおじさんだろうな、いや、管理人とでもいうべきか」

「どう言う事なんですお父様」

「なぁあに、簡単な事さ、ただ、その単純さが、おらぁこわいだ」

「どう言う事なんですかお父様」

「簡単なんだぁ、ありゃ、可哀想に、二重人格っちゅうもんだ」

「二重人格、分かるか、一人の人間の中に、何人もの性格が混在する病みたいなもんだ

昔は、キツネツキだとか、狂人だとか」

「おかしい、死んだはずがない、さっき見た

死んだはずの人間は、幽霊でもない限り、幻覚でもない限り

作成ではない限り、偶然ではない限り、見えるはずがない、つまりは、わざと見せた

もしくは、始めからなかったか

どうして、おらが、眠ってしまったか、いや、眠らす必要性があったか

単純に、人間を、二人に見せるため、いわゆる変装して皆の前に出た

これで、顔見知りにしようと持ったわけだな」

「なんぜえ、そんあめんどくっせえ、そんなこんとしたかといえんば、これまた単純なんだべ

そいつが、管理人として怪しまれないようにだ」

「たぶんんだが、管理人さんは、おなごにさなりたかったんだろうな

そんで、そんなときに、親戚の人間に、自分と似た人間がいたんだろうな

そこら辺から人間が狂っちまったんだろうか

女でありながら、男になろうとするなんて、とても容易に、いや、考えられない事だったんだろう

そしていつしか、入れ替わることが、絶対だと思い始めた

そう考えれば話はいよいしょ終着だ」

「お終いですかお父様」

「ああ、顔が似ていることを使い

殺したものを、地面に付き落とした

そんな時、睡眠薬入りの酒を飲んでいない

子供さが、見てしまうが、戻った

その隙に、髪さ、切ったんだろうな」

「・・・この後どうするんですか」

「・・・どうすんべぇーかな」

男はそう言うと、畳の上で、いよいよ胡坐を崩せずに

泣いたような顔をしている

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ