忌忌しき問題
「それでね、おじちゃんが死んじゃって、もう大変だったんだから」
近所では、いわくがありすぎて、逆に、いい意味で有名アパート化している楠アパート
そのアパートの住人である、先月引っ越してきた、多島 柚希の言葉だ
「おい、それは本当の事なのか」
一番初めに、友達になった、浅黒い、男なのか、かりんとうなのか見分けがつかない女子、田宮が、そんな事を言って、アホ面で、驚いたことを言っているが
確かあいつの家は、探偵事務所かなんかをやっていたはずだ
それなのに情報が無いと言う事は
聞いていないか
聞いていないふりをしているか
聞いたが、忘れたの三つ、後+αなのであろう
「それ見たの」
また新しい尋問だ
行った奴は、三つ編み眼鏡の気色悪いと表現するには
あまりにも年が幼すぎて
逆にマッチしているともいえる
鹿骨 愛華である
「うーーん、何かね、音がしたんだよ」
「おとーー」
馬鹿の田宮が、そんな事を聞く
反対に、メガネの鹿骨は、至ってクールに、無表情以前に無反応だ
「うん、何かね、ドスンって」
「ドスン」
そこで、メガネの鹿骨が、メガネを直しながら、聞いた
まるでそれが、重要とでもいうかのように
「うん、それでね」
そこで、怪談でもはしているかのように、声を潜めると
「実は、私、その音に気が付いて、見行こうかと思ったんだけど、やめたの」
ずっこける二人プラスアルファー俺
「えーー何で見なかったんだよー」
かりんとうがごねる
「そうです、意気地が無いです」
気になるのは確かだが
犯人と出くわした場合を考えると
それが正しい反応のように思えるが
「と言うのは嘘でね、見に行ったんだけど、どうもおかしんだよ」
「何が」
眼鏡がすかさず口を挟んだ
「あのね、女の人が、倒れていたんだよ、でね、それが管理人さんに瓜二つで、急いでお母さんたちの部屋に戻ってそれを言って、戻ってきたら」
「・・もどってきたら」
かりんとうが口をはさむ
「・・・いないんだよ、管理人さん、代わりにおじさんが、そこに倒れてて、騒いでいるうちに
管理人さんも来てるし」
「聞いたんですか、管理人さんに、倒れていたかどうか」
「うーーん、酷く取り乱しているみたいで、なんやかんやで、パトカーに乗って」
「・・聞けなかったんですね」
「うんん、でもね、管理人さん、独り言のようにつぶやいているのが聞こえたんだけど
「おかしい、おかしい、」って」
「何がおかしいんですか」
「私もそう思って聞いたら「死ぬはずがない、さっきも見た」って」
「混乱していたんではないでしょうか」
眼鏡が頭がよさそうに見えないが
眼鏡を直しながらそう言ったところで
チャイムが、なる




