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運だけ男のハーレム・ライフ  作者: ブラック池田
1章
4/6

人命救助

 佐々木昇は、嬌声のする方へと向かう。

 徐々に声は大きくなっていく。方向は合っている。どうやら、あの木の根元から声がしているようだ、と佐々木昇は思う。


 そっと茂みの影から除くと、食虫植物のウツボカズラを大きくしたような植物の中に、銀色の長い髪が見える。声から察するに、女性である。


 もしかして、食べられてる? ヤバい? と佐々木昇は焦る。

 アスパラトス・オンラインのモンスター設定の中にも、人や動物を捕食する木のモンスターは確かに存在した。捕食されると、麻痺などの状態異常が付与されるだけで、実際には食べられてしまうという描写は無かった。麻痺で動けなくなり、ダメージを与え続けられ、生命力がゼロになると、直近で立ち寄った街などから再スタートという設定であった。

 

 捕食する目的って、食べることだもんな、と佐々木昇は思う。 アスパラトス・オンラインでは、死亡した場合は、一斉に舞い上がった蛍のような光の粒子になって消えていくというグラフィック・エフェクトだった。そして、再スタート地点にその光の粒子が集まり、キャラが再生されるという設定だった。


 しかし、ゲームオーバーになると、街に送り返されるという設定がないのであれば、その場で食べられるのであろう。

 もしかしてこの世界、死んだら本当に死ぬってこと? という考えに思い当たり、背筋が冷たく凍る。マジで笑えないって……。万が一があるから、試すわけにもいかないしな……。


 この捕食されている人を観察し続ければ、死後、どうなるか分かるかも知れないけれど、と佐々木昇は一瞬思ったが、その考えを捨て去る。見殺しにするとか、人として終わているよな。助けよう。声がするってことは、まだ生きているってことだし。

 佐々木昇は、救出を決断する。しかし……


「どうやって助ければいいんだ?」と途方に暮れた。人間が入りそうなウツボカズラが、他にもいくつもある。安易に近づくと、ミイラ取りがミイラになるだろう。


「あ。あっ。んんっ。あっ。っ。あっぁ。」と、声が響く。


 エロいな、という率直な感想とは別に、捕まえた動物を抵抗できないようにするために、媚薬か何かを分泌して、抵抗力を奪っているのではないか、と佐々木昇は推測した。


 近づくのは危険、と判断する。


 やっぱり、植物系には、火魔法だが……。まるまる人が飲み込まれている状況だ。火魔法を使った場合、助けようとする相手にも火傷を負わせてしまう危険がある。


 雷も、感電させちゃうし……。風魔法も、鎌鼬かまいたちだと、傷つけちゃうだろうし……。火魔法が無難かな。


 佐々木昇は、アイテムボックスを開く。右手人差し指に嵌めていた指輪が光はじめ、ステータス画面に在庫状況が表示される。


『ポーション(小)・・・3個』


 ゲームスタート時にプレイヤーが持っているアイテムだった。GМとして、ログインすることは多々あったが、ゲーム内でアイテムを取得するということは一度もしていない。逆に、アイテムを使ったこともなかったから、この初期配布のアイテムが残っていたということであろう。


 一応、ポーションはあるな、と佐々木昇は安堵する。でも、火傷に効くのかな? と別の不安が襲う。アスパラトス・オンラインでは、「火傷」という状態異常はない。火魔法は、そのままダメージとなって生命力を削るだけだ。しかし…… 常識的に考えたら、火傷するよな、と佐々木昇は思う。

 ポーションは、生命力を回復するアイテムだ。しかし、生命力を回復するということなら、火傷を治癒する効果もあるのではないか……。いや、無いかも知れない。このリアルな世界で考えると、ポーションはただの栄養ドリンクという扱いになっているかも知れない……。


 考えても分からないや、という結論に佐々木昇は達する。人命救助を優先したということで、火傷したら許してもらおう。


 佐々木昇は、火魔法を使い、周りにあるウツボカズラを順々に焼いていく。他の場所に延焼しないように、焼き切ったあとは、水魔法を使って消火する。


 最後に残った、人が中に飲み込まれているウツボカズラ。


 外を焼く、すぐ水魔法で消火する、人を引きずり出す、と頭の中で何度もシュミレーションをし、実行に移した。


「あっ。ああぁ~」と、女性はより大きな声で喘ぐ。ウツボカズラから引き摺り出されるという行為で、何らかの快感を得ているようだった。どんだけ強力な媚薬なんだよ、と佐々木昇は心の中で突っ込む。自らが消化されている中でも、それを快感に感じる。自然って、怖ぇぇぇ。


 なんとか、安全そうな場所まで連れ出し、地面に寝かせた。


 銀色の長い髪から、尖った三角の耳が見える。エルフ族なのであろう。そして問題は、彼女の着ている衣服だ。もはや、衣服というか、布きれとなっていた。食虫植物改め、食人植物に溶かされたのであろう。既に溶かされてぼろぼろであったのが、佐々木昇が救出の際に、かなりの部分が破けてしまっていた。上下、共に見えてはいけないところが見えている。


 あまりの露出度に、「ドラゴ○・ボ○ルとかなら、上半身は戦闘で直ぐ破けるけど、下半身は絶対に破けないのにな」と、佐々木昇は思った。そういえば、この前見に行った劇場版のサブタイトルは、「ふっくらのF」だったけ? と、呼吸と共に揺れているのを眺めながら、佐々木昇の思考は混乱する。


 まずは、ポーションだ、と佐々木昇は我に返り、ポーションの瓶口を彼女の唇に持って行く。


「おい、ポーションだ」と呼びかけても、返ってくるのは喘ぎ声のみで、試しに口元にポーションを垂らしてみても、飲んでくれない。


 しょ、しょうが無い、と佐々木昇は、深呼吸をして、自分の口にポーションを含んだ。


 口移し。人命救助の一環。ポーションを飲ませるには、これしかない、というのが、崩壊寸前の佐々木昇の理性がはじき出した最善策だった。


 彼女の唇に自分の唇を持っていく。そして、唇が触れう。そして、ポーションを彼女の中へ送りだそうとした瞬間、佐々木昇に衝撃が走る。


 彼女の生暖かい舌が佐々木昇の口の中に入ってきたのだ。彼女の舌は、佐々木昇の舌をなめ回すように動く。佐々木昇は一時の間、快感に身を任せたのち、口を離した。


 は、歯の裏側まで舐められちゃった……


「とりあえず、一瓶分は飲ませなきゃな」と、佐々木昇は独白する。そして、また、ポーションの口移し、改め、ディープキスを堪能するのだった。


 ・


 一瓶分のポーションを飲ませた後、もう1瓶飲ませた方が良いかと佐々木昇は思案していた。もっと、彼女と舌を絡め合いたい。ポーションは、幾ら飲んでも毒になることにはないだろう、と考える。


 しかし、佐々木昇には、彼女の容態で気になることがあった。それは、透き通るような白い彼女の紅潮した肌と、存在感溢れる胸だ。

 彼女の体の複数の場所に、火傷のようなものがあるのだ。食人植物の酸か何かで皮膚が溶かされて出来た傷なのか、自分の火魔法でつけてしまった火傷なのか、判断できない。しかし、その傷は新しいのは事実だ。そして、ポーションを飲ませたのにも関わらず、その傷が消えて行くような気配はない。


 彼女の胸を揉みたい…… 揺れている感じだと、弾力もあるようだけど、マシュマロのように柔らかそうだ。


 いやいや! 何を考えている。俺は、ポーションを直接、傷口に塗り込めば、回復するかも知れないという仮説を立てだだけだ。真夏の海岸で、鼻の下を伸ばしながら日焼け止めクリームを女性に塗るような不埒な男とは違うのだ! これは、人命救助の一環だ! と佐々木昇は煩悩を退散させ、両手にポーションを付け、彼女の体に塗った。もちろん、ポーションが良く皮膚に染みこむようにと、揉み込むように塗った。

 また、少しもポーションを無駄にできないと思い、佐々木昇の口の中に微かに残っているポーションは、彼女の乳首を舐めることにより、無駄なく彼女に塗ることができた。


 ・


 ・


 とりあえず、俺が出来ることはやったな、と空になった3本のポーションを見ながら佐々木昇は満足げに言った。

人命救助に真摯に取り組む主人公。頭が下がります。

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