第一章
第一章
第壱話 七不思議の学校 その一
肝試しなんか、あんな事の為に学校になんか来るんじゃなった。
あんな事しなければ、亜由美は消える事なんか無かったのに・・・、私が止めるべきだったんだ、そうするのが普通だったんだ。
きっと、今度は私が消える番だ。
私は・・・殺されるんだ・・・誰かに。
「・・・であるから・・・になる、その為に・・・とするのがよい。」
つまらない先生の話を聞くのは、正直退屈で仕方がない気がする。
確かに言ってる事はもっともナ事を言ってるが、そんなもの教科書にでも載っている、それだけなら、学校に先生なのいらないのだ。
そんな事を言ったって、先生が居なくなって授業がなくなるわけでもない、俺はいつものように教室の窓から外を眺めながら夢の世界へ入り込もうとした。
『ねぇ、皇紀君、依頼があったよ、どうするの?』
『依頼?誰から?』
『えっとね、この学園の人みたい。』
『分かった、今日会ってみるよ、待ち合わせ場所教えて。』
俺の依頼人は特殊な力を持っている。
いや、持って居ないと、俺に依頼を持ち込む事すらできない。
「霊を見る力」、それこそが依頼をする為に必要なもの、その力をお代として、俺は仕事をする。
まぁ、俺がこの仕事をする事になってから、ずっとこういう事になっている。
ああ、それで、その助手って言うのかな、連絡係って感じだけど、高月夏実って言うんだけど、こいつは人間じゃない。
突然だけど、夏実は死に人だ、簡単に言えば幽霊。
本当は還すのが仕事なのだけど、夏実は俺にとって大切な人だった、きっと先代に見つかったら、俺もきっと大変な事になるんだろうけど、仕方ないからな。
「あの、折草皇紀さんですか?」
「ん、ああ、えっと、佐久間由梨絵さんですね?」
んで、この子が依頼人らしい。
「はい、その依頼の方を。」
結構せっかちな子みたいだ、こんな人前で依頼の話するなんて普通しないのにな。
「まぁ、その話は事務所の方で。」
「あ、はい、すいません。」
「いえいえ、こちらです。」
事務所に置かれているテーブルには既に紅茶と茶菓子が置かれてる。
もちろん夏実がやった事なんだけど、そんな事が依頼人である由梨絵が知ってるはずも無い。
「あの、これは。」
「ああ、どうぞ、毒なんか入ってないから。」