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序章
序章
俺たちが生きてるこの世界には、まったくもって日本人が思ってるほど平凡な世界ではない。
どこかの国では戦争が起こり、どこかの国ではテロが続き、それまたどこかの国では罪も無い子供たちが殺されていたりする。
それどころか、この日本だってそんなに平和な国ではないのだ。
俺には見えている、誰かを憎み妬む霊の姿が罪も無い人間を呪い殺そうとしている姿が。
そこで、ここに居る俺が、その霊を説得して、まぁ空に返す仕事をしてる。
「幽霊探偵事務所」って勝手な名前を付けて仕事をしている。
お代は依頼人にとって一番大切な物、なんていう事は無い、その人が持っている「可能性」、いわば例を見る力をお代とする、清く正しい仕事をしてる。
あ、俺に名前を言うのを忘れてたな、俺は日暮皇紀、高校2年生、厄介な仕事をする元気な高校2年生。
そして事件は、今、この瞬間にでも起こっている・・・気がする。