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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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呪いの人形

作者: 結城 からく
掲載日:2026/02/07

「バカ! なんで学校に来てんだよっ! キモいから帰れよ!」


 下校途中にある公園で、五人のクラスメートが僕を殴ったり蹴ったりしてくる。

 やり返したり文句を言えばもっと殴られるから、僕はじっと丸まって耐えるしかなかった。


 そのうち飽きた五人は笑いながら走っていなくなった。

 僕は口に入った砂を吐き出しつつ立ち上がり、背後からの視線に気づく。


 ブランコに座る怪しいおじさんが、ニヤニヤして僕を眺めていた。

 おじさんはブランコを元気よく漕ぎながら挨拶してくる。


「どうも、こんにちは」


「こ、こんにちは」


「何かお困りのようだね。たとえばそう……イジメとか?」


「えっ、どうしてわかったんですか」


「おじさんは心が読めるのさ」


 自信満々に言ったおじさんは、ぴょんとブランコから飛び降りた。

 それから五つの小さな人形を僕に差し出す。


「さて、君にこれをプレゼントしよう。呪いの人形だよ」


「呪い!?」


「人形を持って相手のことを恨むだけで感覚がリンクする。いじめっ子は何人かな。足りなければ追加で渡しておくが」


「ちょ、ちょうど五人です」


「なるほど、それはよかった。この人形が君の悩みを解決してくれる。大切に使いなさい」


 おじさんは僕に人形を押し付けると、さっさと立ち去ってしまった。

 帰宅した僕は、自分の部屋で呪いの人形を見つめる。


(あいつらのことを恨むだけでいいって……)


 次の瞬間、人形がぼんやりと光った。

 驚いた僕はしばらく固まっていたが、我に返って人形を殴る。


「この野郎っ!」


 吹っ飛んだ人形を何度も踏みつける。

 人形が裂けて綿がはみ出していた。


「いつもいつも! 僕のことをいじめやがって! ふざけんな!」


 ひとしきり人形を痛め付けた後、僕は裁縫セットを見て閃く。

 人形を丸めながら縫い合わせて、五つを一つに合体させてみた。

 ブサイクな人形を前に僕は笑う。


「ざまあみろ。いじめなんてするからこうなるんだ」


 翌朝のニュースで、五人のいじめっ子が死んだことを知った。

 後になって広まった噂によると、肉団子のように潰れた状態で、互いに縫い合わせられた形で見つかったらしい。

 僕は人形をくれたおじさんを探したけど、二度と再会することはなかった。








 お礼が言いたかったのに。

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