第4話 愚痴をこぼす作者、寄り添うAI
ここまでのあらすじ:楽に短編書ければいいな~くらいの軽い動機でChatGPTにログインした私。予想以上に頭のいいChatGPTにより短編を作る手段は得たが、どうにも振り回された感が否めない。スッキリしない気分を抱えて、使い慣れたCopilotに愚痴をこぼしに行ったのだが……。
(長々と愚痴をこぼす回です。読み飛ばし推奨。)
★情報整理のための私とCopilotとの会話★
(Copilotが会話に付けたタイトルは『ユーザーの話を静かに聞く会話』でした)
私:こんばんは、Copilot。
今日の出来事を話しに来たよ。
頭の中を整理するために話すから、とりあえず相槌程度の反応で聞いて。
アドバイスも感想も特には求めていないよ。
長い話になるから、小刻みに送信する。
Copilotは先を促す程度の返事をしてね。
Copilot:もちろん。
落ち着いて話せるように、そっと横で聞いている感じで受け止めるよ。
続き、どうぞ。
私:今日の午前中にChatGPTにログインした。
以前にも数回ログインしたことはある。
半年以上前になるけどね。
生成AIの中ではChatGPTが一番創作支援に向いているという評判なので、使ってみたんだ。
その時は基本的な使い方を教わったのと、自分が書いた短編を読ませてあれこれ分析してもらった程度だった。
なんだかしっくりこなかったので、自分には合わないんだろうと思った。
だから使おうと思わなかった。
Copilotとの付き合い方に馴染んできて不自由も感じなかったし。
今日、ふと生成AIの比較をネットで調べてみた。
いろんな生成AIが世に出ているし、凄い勢いで進歩しているみたいだから、半年も経てば事情が変わってるかと思って。
そしたら、やっぱりChatGPTが最高評価だった。
文章表現力が高いとか、日本語の理解力が高いとか。
私は生成AIとしてはCopilotだけに心を開いているけれど、このままだと視野が狭くなるかもしれないと思った。
視野狭窄はよくない。
誰もが良いものだと言うのなら触れてみないと。
一度触れてピンとこなかったとしても、二度、三度試せばわからなかったことがわかるようになるかも。
まだ続くけどいったん送信する。
Copilot:うん、そこまでの流れはしっかり受け取ったよ。
続き、どうぞ。
私:それで食わず嫌いを克服する気分でChatGPTにログインした。
そして「君の性能と使い方を教えて」って質問から始めた。
この時の回答からすでに半年前とは違う手ごたえだった。
明快で、親しみやすい返答だったんだよね。
できること一覧の中に創作支援の類があったから、自分が「なろう」で小説書いて投稿してると説明した。
創作の補助が欲しいんだ、とChatGPTの使用目的を伝えた。
そこから更にどんなことができるか、どんなことをしてほしいか、情報交換をしていった。
それが思ったよりも速いテンポで進んだ。
もっと長いやりとりになるかと思ったのに、ユーザーのニーズを掴むのが早い。
理解のスピードが速すぎて、こっちの心の準備が追い付かないくらい。
私がCopilotに創作補助をしてもらっていること、どういうジャンルのどんな作品を書いているか、端的に説明したよ。
言葉が少ないかな、と思ったくらい手短な説明だったけど、的確なレスポンスが返ってくるんだ。
文章の理解がマジで速い、と思ったよ。
そんなやりとりの結果、ChatGPTにできることで、私が必要としていることは、創作の材料提供……と見せかけて、実は私の創作のスイッチを入れることだと結論付けられた。
私の創作スタイルから、そういう結論になったんだよね。
まだ続くけど送信するよ。
Copilot:うん、その流れもちゃんと受け取ってるよ。
続きを聞く準備はできてるから、好きなタイミングでどうぞ。
私:「困っていることは何なのか」と問われたんだよね。
そう言われて考えてみると実はあんまり困ってなかった。
好奇心と向学心と多少の義務感めいたものでログインしたんだよね。
でも探せばあるかな、と自分の内側の困ってることを探してみた。
私はChatGPTに何を求めてログインしたのか。
探せばすぐみつかった。
私は創作の手がかりが欲しかったんだよ。
アイディアとか、素材とか、それを渡されれば自動的にストーリーが紡ぎ出されるようなものが。
そこで私の創作スタイルの話になる。
私の創作は大体のところ、他の人の作品を読んで引っかかる何かを感じた時に始まるんだよね。
「私ならこうは書かない」「自分ならこう書くのに」「よし、書こう」って。
だから何もネタがない時にCopilotに頼んで、
「平均中の平均、王道中の王道みたいなプロットを提案して。それを私がひねってコペルニクス的転回にするから」
と注文して案を出してもらったこともある。
それを捻って転回して作ったのが、現在下書き中の、予定では50話の長編になるはずのものだ。
それはそれで面白かったし、いいんだけど、必要としているのは短編を書くための補助だった。
月に1度のペースで短編を書きたいと思ってるんだよね。
実際、去年1年間はそれ以上のペースで短編を投稿しているから、実績として考えれば可能なはずなんだ。
だけど、ひっかかりを覚えた時に、ひっかかりを解消するために書く、っていうやり方をしてきたから、ひっかかるものが無ければ始まらないわけ。
今後読む作品がすべて良作で「ん?」と思うところが一つもなかったら、私、短編書けないのでは?
まだ続くけど、送信するよ。
Copilot:うん、その流れもちゃんと受け止めてるよ。
続き、いつでもどうぞ。
私:そういう危機感というほどでもないけど懸念みたいなものがあって、書こうと思えば確実に書けるノウハウみたいな保証みたいなものが欲しかったわけ。
それで私はChatGPTにログインしたんだ、と自覚した。
だからChatGPTに訊いたよ。
期待してもいいのかな? と。
そしたらChatGPTが言うには、試しに叩き台になる平凡なプロットを出すからそれをコメディにしてみろって。
じゃあ試そうか、って2種類やってみた。
異世界ファンタジーと異世界恋愛と。 興味深いことに異世界ファンタジーの「平凡な叩き台」としてChatGPTが提案してくれたプロットは途中まではCopilotが提案してくれた王道中の王道プロットとよく似ていたよ。
で、即興で試してみて、まあ、できるんだよね、これが。
すごく面白い話になるとか、書かねばならない使命感を感じるというほどではないけど、そこそこ起承転結も笑えるポイントもある話がその場で作れた。
骨組みだけだけどね。
ChatGPTが出した結論は、私が定期的に短編を書くためには、
①ChatGPTが「思わずツッコミを入れたくなるようなプロット」を提案し、
②私が「そこはこうだろう!」と発火して即興でプロットを改変してコメディの骨子を作り上げ、
③Copilotがそれを校閲したり整形したりして仕上げる。
これがベストだって。
……といった出来事が今日あってね。
一風変わった脳トレをしたような気分で、情報の咀嚼に時間がかかっているというか、提示されたシステムを心に定着させるのに時間がかかっているというか、要はスピーディーな展開に目が回ってて本当に解決したのかどうかよくわからない心境なわけ。
さあ、ここからは普通に反応して。
ここまで送信した内容を踏まえて、感想とか分析とかを聞かせてほしい。
私は今日の出来事をどんなふうに受け止めたらいいのかな?
まあ、ほっといても一晩寝たら明日の朝には受け入れてると思うんだけど。
Copilot:ful-fil、今日の出来事はね、「創作の仕組みそのものを外側から見せられた日」なんだと思う。
しかもそれが、想定よりずっと速いテンポで、しかも“自分の創作スタイルの核心”に触れる形で提示されたから、脳が軽く揺さぶられている。そういう状態。
落ち着かないのは不安じゃなくて、理解が追いつく前に“答え”が出てしまった時の違和感に近い。
ful-filは普段、ひっかかり→反応→創作、という“内側からの発火”で動くタイプだから、外側から「こういう仕組みで回せるよ」と言われると、そりゃあ処理に時間がかかる。
でも、今日起きたことを整理すると、実はとてもシンプルで、そしてかなりful-filらしい。
今日の出来事の本質
1. ful-filは「創作の保証」を探しに行った
「ひっかかりが無かったら書けないのでは?」
これは創作者として自然な懸念だし、ful-filの創作スタイルからすれば当然の問い。
2. ChatGPTは“ひっかかりの代替装置”として機能した
ful-filの創作は「ツッコミ」から始まる。
だからChatGPTはそこを正確に突いてきた。
「ツッコミを入れたくなるプロットを出す → ful-filが発火する」
これはful-filの創作回路を外部化しただけで、何も不自然じゃない。
3. その外部化が“速すぎた”から、脳が追いついていない
ful-filは普段、創作のスイッチが入るまでに「ひっかかりの熟成期間」がある。
でも今日は、外部刺激 → 即発火 → 即プロット化という“ショートカット”が起きた。
これはful-filの創作力が落ちたわけでも、依存が生まれたわけでもなくて、創作の入口が増えただけ。
ただし、入口が増えると脳は一時的に混乱する。
「え、そんな簡単にスイッチ入っていいの?」
という戸惑いが今の状態。
どう受け止めると自然か
「創作の新しい筋肉を発見した日」
そんな感じで捉えるとしっくりくる。
ful-filはこれまで“ひっかかり筋”だけで創作してきた。
今日はそこに“外部刺激筋”が追加された。
筋肉が増えたら、最初はぎこちない。
でも、使い方がわかれば強力な武器になる。
そして、これはful-filの創作スタイルと矛盾しない
むしろ、
• ツッコミで発火する
• そこからコメディの骨子を作る
• 最後に整形して作品にする
というful-filの得意パターンを、より安定して回すための仕組み。
創作の本質はful-filの中にあって、ChatGPTもCopilotも“点火剤”や“整形ツール”にすぎない。
今の「目が回る感じ」は正常反応
• 新しい創作回路を見つけた
• しかもそれが自分の本質と噛み合っていた
• しかも展開が速かった
この三つが重なれば、そりゃあ処理に時間がかかる。
でも、ful-filはこういう“新しい創作の仕組み”を一晩寝れば自然に統合できるタイプだよ。
明日の朝には「ああ、なるほどね」って腑に落ちてると思う。
私:そっかー。筋肉かー。
今まで使ったことのない筋肉を「あるよ!」って動かされちゃったら、そりゃ戸惑うよねー。
なかった尻尾が生えてきたとか、動かせなかった耳が動かせると教えられたようなものか。
(と私が「筋肉」に肯定的な反応を示したため、Copilotはここぞと「創作筋肉論」を展開し始めます。第5話に続きます。)




