仲間は居ない
僕は授業を受けることにした。どれだけ辛かったことでも、どれだけ苦しかったことでも、心に痛みを感じなければ意味がないから。
みんな、僕のことをバケモノみたいな目で見始めた。元からバケモノなのに。
ヒソヒソ声の正体が、罵る声から怖がる声に変わっていった。この前聞いたのは、悪魔の生まれ変わり、だっけ。もし、悪魔だったらどれだけの善行を積んだんだろ。前世の方がシアワセだったかな。
「あ、あのっ!あ、悪魔の生まれ変わりって、本当ですか…?」
少女が声をかけてきた。数学年下の下級生。
「だったら、何?」
「あ、あの、し、死んでくださいっ!!し、神聖魔法、ジャッチメントシャード!」
罪のあるものを確実に消し去る魔法。僕のことを殺してくれるなら、大歓迎だ。僕は目をつぶった。
声が聞こえた。ついに死んだと思った。目を開いたら、先程の少女が居た。
「…一応聞くけど、魔法、撃った?」
「う、撃ちました!なんですか!悪魔の生まれ変わりじゃないんですか!」
悪びれない様子で少女は言う。
「罪の無いものを裁こうとした、重罪だね。僕が、今君が使った魔法を撃ったら、君はどうなる?」
「し、死にますね…。」
少女は現実に戻ってきたようだ。
「じゃあ、契約だ。僕は君が罪の無いものにジャッチメントシャードを撃ったことを隠し、君に同じ魔法を撃たない。だが、君は1年間僕の言うことを聞かなければならない。破った場合、君も僕も死ぬ。」
「そ、そんな!不公平な!」
「なら、この場で死ぬ?死にたがりは大歓迎だ。」
少女は震えた声で答えた。
「わ、わかり、ました…。」
僕は少女の頭を撫でる。満更でもなさそうな顔をする少女を眺めて思う。あぁ、殺しておけばよかった。傲慢な天使なんて。
「契約完了。君、名前は?」
「リリ、です。」
「リリ、これからよろしく。僕の名前はレイ。みんなから、悪魔、クソ、ゴミ、天使モドキと呼ばれている生き物だよ。」
僕は微笑みながら告げた。




