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翼は生えない  作者: shiki
第1章
2/5

仲間は居ない

 僕は授業を受けることにした。どれだけ辛かったことでも、どれだけ苦しかったことでも、心に痛みを感じなければ意味がないから。


 みんな、僕のことをバケモノみたいな目で見始めた。元からバケモノなのに。


 ヒソヒソ声の正体が、罵る声から怖がる声に変わっていった。この前聞いたのは、悪魔の生まれ変わり、だっけ。もし、悪魔だったらどれだけの善行を積んだんだろ。前世の方がシアワセだったかな。


「あ、あのっ!あ、悪魔の生まれ変わりって、本当ですか…?」


 少女が声をかけてきた。数学年下の下級生。


「だったら、何?」


「あ、あの、し、死んでくださいっ!!し、神聖魔法、ジャッチメントシャード!」


 罪のあるものを確実に消し去る魔法。僕のことを殺してくれるなら、大歓迎だ。僕は目をつぶった。


 声が聞こえた。ついに死んだと思った。目を開いたら、先程の少女が居た。


「…一応聞くけど、魔法、撃った?」


「う、撃ちました!なんですか!悪魔の生まれ変わりじゃないんですか!」


 悪びれない様子で少女は言う。


「罪の無いものを裁こうとした、重罪だね。僕が、今君が使った魔法を撃ったら、君はどうなる?」


「し、死にますね…。」


 少女は現実に戻ってきたようだ。


「じゃあ、契約だ。僕は君が罪の無いものにジャッチメントシャードを撃ったことを隠し、君に同じ魔法を撃たない。だが、君は1年間僕の言うことを聞かなければならない。破った場合、君も僕も死ぬ。」


「そ、そんな!不公平な!」


「なら、この場で死ぬ?死にたがりは大歓迎だ。」


 少女は震えた声で答えた。


「わ、わかり、ました…。」


 僕は少女の頭を撫でる。満更でもなさそうな顔をする少女を眺めて思う。あぁ、殺しておけばよかった。傲慢な天使(悪魔)なんて。


「契約完了。君、名前は?」


「リリ、です。」


「リリ、これからよろしく。僕の名前はレイ。みんなから、悪魔、クソ、ゴミ、天使モドキと呼ばれている生き物だよ。」


 僕は微笑みながら告げた。

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