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5章

呪いの水ってどういうこと?


東子もキモオタも驚愕の表情。


何ではじめはそんなこと分かるの?



「まず最初の男性だけど、内定チラつかせてみゆちゃんと寝ようとしたって男、本当にみゆちゃんとキスした?」

「してないしてない。だけど光本は水も飲んでないよ」

「みゆちゃん、ラブホテルでお風呂に入った?」

「うん。入った」

「お風呂に水入れなかった?」

「入れた。水入れると、気の所為かも知れないけど落ち着くから」

「おばさんからみゆちゃんのその習慣聞いたことあったから、もしかしてって思ったんだ」

「光本、私の入った湯船にそのまま浸かったけど、そういうこと?」

「うん。おそらく毛穴から侵入しても呪いの効果はあるということなんだと思う」

「呪い? 光本、誰かがいるみたいなこと言ってたけど、その幽霊の呪いってこと?」

「多分北都先生だ。この水は、北都先生の呪いのかかった水なんだ」

一同驚愕の表情。

「うっそ。本当幼い時に亡くなったから、おじさんの顔覚えてないけど」

「それに関しては後で説明する。次に警備員だけど」

「ちょっと待って。私が死にそうになったのは?」

「よく分からないけど、北都先生が軽はずみにみゆちゃんが男と寝ようとしたのを戒めたのかも」

「え〜っ。私の言い分もあるけどまあいいや」

「警備員が死んだのは多分人工呼吸でキスしたからだ」

「ほら! やっぱりキスで死ぬんじゃん!」

「おそらく水の成分がみゆちゃんの唇に残ってて・・・」

「ちょっと待って。だってずっと大量の水の中に閉じ込められてたんだから、水の成分なんて流れちゃったんじゃない?」

「いや、その水自体が呪いの水を含んだものだから」

「そっか」

「5人のヤンキーは言わずもがな。予備校のチューターはやはりキスしたことが原因かと」

「ほら! やっぱそうじゃん! みゆちゃんキスして! みゆちゃんに殺されるなら本望だよ」

「キモっ」

「キモっ」

「そして注目すべきは死因だ。その光本とかいう人は溺死。警備員も溺死。5人のヤンキーは水の日本刀。予備校のチューターは凍死。これもある意味、水に関わる死。皆呪いの水によって、水に関わる死を迎えているんだ!」

「みゆちゃん大好きだよ!」

キモオタが私のペットボトル奪い取り、ごくごく飲み始めた。


「うっ」

キモオタが喉を抑えて苦しがってる。

「うっ・・・うっ・・・」

畳の上をのたうち回っている。

息苦しそう。水の中じゃないのに窒息死しそう。


白目剥いて口から泡出して明らかに動き止まって・・・死んだみたい。

キモい死に方。

幸せそう・・・な死に方には見えないけど。


「みんな外に出て。ある場所を見せたいんだ」

「キモオタの死はスルー?」

東子の言い分ももっとも。

「はじめ。どうすんのこの死体。ってか警察に連絡しないと」

「後でいい。先に見てもらいたい場所がある」

「死体遺棄罪とかにならない?」





ーーーーーーーーー


私と東子とはじめがやって来た所。

ここは私の実家のすぐ近く。


竹の筒から常に湧き水が出て来ていて、石造りの器に湧き水が溜まっている。

溢れ出た水は用水路のような人工の川に流れて行く。

近所の人はここから水を汲んで持って行く。


私がいつも飲んでる水もここから汲んでいる。


すぐ近くには十字路。

「北都先生はここで亡くなったんだ」

「!」

「!」

「亡くなった時、僕も近くにいたけどよく覚えてる。北都先生は頭から大量に血を流していたけど、みゆちゃんを護るように体を丸めたから、みゆちゃんは無傷で助かったんだ」

「えっ? そうだったんだ・・・」

「死ぬ間際、北都先生は僕に遺言したんだ。みゆちゃんを護って欲しいと。そしてみゆちゃんと結婚して欲しいと」

「えっ?」

「だから一連の呪いの死は、北都先生がみゆちゃんに近づく男性、あるいは危害を加えようとした男性を成敗したってことなんじゃないかと」

「待って。警備員は? 私を助けてくれたんだよ?」

「おそらくたとえ人工呼吸であろうと、キスしたことやみゆちゃんの胸を見た可能性があることを許せなかったんじゃないかな」

「そんな・・・じゃあ私は誰とも結婚できないってこと?」

「多分。僕以外は」

「そんな・・・」

私はショックでへたれ込む。


ドッドッドッ。

「ん? 何か足音?」

向こうから恐ろしい形相のキモオタが走って来る。

「死んでなかったの? てか幽霊?」

「キャーーーッ!」

東子うるさい。


「やめろ!」

はじめが体を張ってとうせんぼする。

「どけ!」

バキッとはじめをぶん殴る。

「おわっ」

はじめは鼻血を流してぶっ倒れる。

「ちょっと私を護ってくれるんじゃなかったの?」


「み〜ゆ!」

「お母さん?」

「みゆちゃ〜ん。キスして〜」

「キャー! 来ないで!」

お母さん、何か持ってる?

「ドリル? これでキモオタを倒せってこと?」

「違う。その湧き水溜まってる石造りの器を壊すの。その下にお父さんの脳が埋まってる。それを取り出せば多分呪いは消えるから!」

「えっ・・・マジ・・・?」

でも私はキモオタから逃げるので精一杯。


「僕がやります」

はじめが立ち上がってドリルを受け取る。

「それにしても脳が埋まってるって」

「死に際に北都先生が自分で自分の脳を取り出して埋めたんだ」

「え・・・」

「キモ・・・」


ドドドドッ。

はじめは石造りの器を壊し、その下にあった土を掘る。

するとやっぱり何か出て来た。脳?


はじめは湧き水でそれを洗う。

そして何を思ったのか、食べ始めた。

「おえ〜」

「おえ〜」

私も東子も、あまりの気持ち悪さに吐いてしまった。


「僕も化け物になって対等の力を持たなければ倒せないと思うから」

「そういうもん?」


「やい! キモオタ!」

「はじめまでキモオタ呼ばわり?」


ビュイーン!

あれ、はじめの手に水でできた日本刀。

「そんなバカな・・・」

「死ねー!」

はじめの日本刀はキモオタの首を刎ねた。

キモオタの首が跳ぶ。


跳ばされた首は恐ろしい形相。


コロコロと転がる。


「助かった・・・」


ゴォォ。

湧き水が一気に流れ出て来て、キモオタの首と胴体を流して行く。

「みゆちゃん。多分もうこれで君に降り掛かっていた変な呪いは全て無くなった。その大元である北都先生の脳を僕が食べてしまったんだからね。さようなら。好きだったよ。みゆちゃん」

はじめも川に流されてしまった。


残されたのはお母さんと私と東子のみ。


「ごめんね。はじめ。ありがとう」


涙が溢れ出て来て止まらなかった。




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