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プロローグ

初投稿です。カクヨムに投稿したものを連載版に変更して投稿しています。

俺、田中一郎たなか いちろう、35歳、独身、しがないサラリーマン。趣味は筋トレとラノベを読むこと。特に異世界転生モノには目がなく、いつかは自分もチート能力を授かってハーレムを築き、魔王を倒して世界を救う……そんな妄想に明け暮れる毎日を送っていた。


問題は、その「いつか」が永遠に来ないことだ。トラックに轢かれる、通り魔に刺される、神様の手違いで死ぬ…ラノベでよくある死亡フラグはことごとく俺を避けていく。


「こうなったら、こっちからお迎えに上がってもらうしかねえ!」


俺は決意した。来るべき異世界転生に備え、強靭な肉体を作り上げることを。どんな衝撃にも耐え、どんな病魔にも屈しない、鋼の肉体を。そうすれば、神様も「こいつなら異世界でもやっていける」と太鼓判を押し、晴れて転生させてくれるに違いない。


それからの俺の生活は一変した。


朝は5時に起床し、近所の山で野生の熊とスパーリング。出勤前には100キロのバーベルを担いでスクワット1000回。昼休みは会社の屋上で瞑想し、気を高める。退勤後はジムでウェイトトレーニングと格闘技の稽古。夜は滝に打たれて精神を鍛え、眠る前にはプロテインと自作の秘薬を飲んで肉体改造を促進する。


食事は鶏むね肉とブロッコリーを中心に、栄養バランスを徹底的に管理。体脂肪率は測定不能なレベルまで絞り込み、筋肉量は成人男性の平均を遥かに凌駕していた。いつしか、俺の肉体は岩のように硬く、鋼のように強靭になっていた。


そんな生活を続けること3年。


ある晴れた日のことだった。いつものように山での修行を終え、横断歩道で信号待ちをしていた俺の目に、猛スピードで突っ込んでくる一台のトラックが映った。


(きた…!!ついに来たんだ!!)


運転手は居眠りでもしているのか、全く減速する気配がない。周囲の人々が悲鳴を上げる中、俺は確信した。これこそが、待ちに待った異世界への片道切符なのだと。


「異世界!待ってろよ、俺のハーレム!」


俺は目を閉じ、衝撃に備えた

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