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第8話 一大事

 

 カサンドラと皆は、元もどきの圭が化けている第13銀河人について行くと、とある部屋の前で彼は立ち止まり、

「こちらになります」

 とか言いながら部屋の扉を開けた。しかし、そこには待ち構えた彼の部下が居て、カサンドラ達を武器で撃とうとした。しかしこういう事は、以前は崋山の得意としていた事で、カサンドラもその技を思い出していた。カサンドラは彼等よりも素早かった。返り討ちに合って、敵は皆倒れ、勢いでカサンドラはもどきの圭も撃っていた。彼も倒れたが、しぶとく持ち直し、カサンドラに襲い掛かったが、彼女としては次は、もしかしたら急所かも知れない頭を狙っていて、もどきは額に大穴を開けて倒れた。カサンドラは、

「何処が急所か分からないねえ。子分は知っているの」

 [本性がぁ~~現れないと~急所は見えません~~それに~こいつは~ボスの1人なので~~水に漬けても~本性は~出しませんよ~~殺すのはとても難しいのです~~]

「わあ、どうするルーク」

「どうするもこうするも、そもそも、この部屋には双市朗は居ないぞ。どうするカサンドラ」

「そうだった。子分、見つけられる?」

 [実は~~この船は中にもシールドが入っているのです~~見つけられないことは無いですが~~時間が係ります~~カイ様と~~探します~~今こちらに来られました~~]

「本当、きっと見つけてね。ところで、こいつまだ死んでいないって事」

 [カイ様が~いらっしゃるので~拘束していただきましょう~~]

「へえ」

 ルークが解説した。

「カイは龍昂爺さんみたいに、言う事を利かせる技がけっこう強いんだけど、実の所、こいつに効くのかな、とは思っているんだ」

 カサンドラは、

「そうなんだ」

 と思い、効かなかったら、時々第13銀河星人の急所と思しきところを、撃っておくしかないかなと思った。思っていると、また武器に手をのばそうとした感じだったので、今度は腹を撃ってみた。

 ルークは、

「わぁ、また分かったんだね、カサンドラって良い反射神経しているね」

 と感心している。

「でも、お腹は大したことないみたい。実の所、第13銀河人としては、何処が急所なのかな」

 [右寄りの胸に~心臓の役割の場所があります~~あとはやはり~~頭です~~]

 そこへカイとイヴが来た。

「カサンドラ、もどきの親分が居るんだって。死なないの」

 イヴは心配気に言うし、カイは、

「やれやれ、カサンドラって意外と派手な事をし出すんだね。双市朗が絡んでいるからかもしれないけど。こんなじゃあ、俺の力効くかな」

「どうして、あてにして待っていたのに」

「こいつにも、俺等にとってのアドレナリンみたいなのが、出て来たんじゃあないかと思うんだ。興奮しているって事だ」

「双市朗はどうするの」

 イヴが心配し出す。

 カイは、

「俺は一人しかいないからな。カサンドラ、お前も念力出して、透視に挑戦してみろよ。子分と二人で」

 カサンドラは、確かにカイ一人にふたつの担当は出来ないと思い、子分と双市朗を探すことにした。イヴも付いて来るので、三人で地道に探すしかない。

 子分の能力に期待するが、子分は何故か、透視が効かないらしい。第20銀河人の能力を知っている開発者によって作られた戦艦だからと、子分は考えているそうである。

 イヴと、カサンドラは、

「ふうん」

 と言うしかない。

 一部屋、一部屋、調べるしか方法はないと結論が出て、地道に探していると、子分が急に慌てだした。

 [カサンドラ様~~一大事です~~カイ様がもどきに変わりましたぁ~~]

「わあっ、お終いじゃないか。ルークは無事なの」

 子分によると、皆と察して逃げているそうだ。もどきは、少しダメージがあって、本調子にはまだなって居ないと言う。

 カサンドラは絶望したが、こうしてはいられない。気を取り直すと、人間なら急所は分かっていると思い、覚悟を決めて戻る事にした。

「子分とイヴは引き続き双市朗を探していて、あたしはあいつをやらなきゃ」

 [かしこまりましたぁ~~]

 子分は納得している。カサンドラは戻りながら、少し違和感を覚えた。普通、自分に付いて行くとごねる場面では無かったかな。とは言え、自分のやる事に集中しなければならない。

 元の所に戻ってみると、カイに化けたもどきが、よろよろとやって来ていて、目が合った。

「・・・・」

 カサンドラはカイを見つめながら、思った。カイはやられてないじゃないか、どういう事?

 カイは、

「子分がうまく知らせたな。俺があいつのパワーにやられて一瞬ふらついた間に、ルークを殺して化けやがった。俺になるのは無理と思ったんだな。お前の子分も、騙されたふりをした、利巧だな。皆、もどきと一緒に戦艦にずらかったぞ。参ったな。こっちはこの崩れたポンコツ戦艦だぞ。こっちを攻撃しようと、ルークもどきが提案しているな。だけどお前らもまだ居るのに、変だと皆は気付かないかな、やれやれだ」

「ルークが死んだんだ。良い奴だったのに」

 カサンドラは泣きたくなった。だが、もっと泣きたいのはカイの方だろうと思い、

「じゃあ、この戦艦に、壊れてない船が無いか探そうか。皆で一旦どこかに逃げるべきだね。船にシールドを張るとかして、分からないように逃げないと。あいつ、こっちの動きはもうわかって居ないよね」

「そうだな、イヴ達は双市朗を見つけたようだし、裏側の出口付近に小型の船があるな。あれで逃げようか」

「うん」

 二人で、力なく裏口にたどり着くと、もう事情が分かったらしいイヴが、双市朗と子分とで待っていた。

 イヴは、

「子分があたしと居るって言うから、変だと思ったのよね。散々だったね、カイ。可哀そうなルーク」

「イヴも察しが良いね。カサンドラは俺を見てから分かったみたいだったけど」

 カサンドラは、

「あたしだって、なんか変だと感じないでもなかったんだから」

 とは言っても、それほどでも無かった気もして、それ以上反論はしなかった。双市朗の様子を窺うと、彼も何だか以前の事を思い出している感じだった。カサンドラを見ても、黙ってはいたが。何だか以前に比べて、渋すぎる印象である。

 そういう所で、皆で元気なく第13銀河の小型船に乗り、操縦は、使える子分に任せ、飛び立った。

 カサンドラが、子分に何処に行くつもりか聞くと、

 [一先ず~わたくしめの~故郷はいかがでしょう~~、この近くでございます~~]

 カサンドラは、はっとした。崋山の時のあの日の事を思い出した。

「でも、あたしら、永住するつもりは無いからね。今の所、ちょっと英気を養って、またあいつをどうにかしに戻るんだから。そんなに長くは居ないからね」

 しかし、あの人達は皆を操ることが出来る達人じゃないかな、少し不安になるカサンドラだった。 




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