3月某日、朝
さよならを言おう。
大好きだったあなたに。
『3月某日、朝』/未来屋 環
夜通し考えたけれど、気の利いた言葉は何ひとつ思い付かなかった。
それでも、私は今日、この恋を終わらせる。
体育館を出て、そのまま立ち去ろうとするあなたを呼び止めたなら、きっとこの3年間の想いを伝えよう。
「あなたを絶対、忘れないから」
「あの時の気持ち、忘れないから」
「あなたを想う気持ちは、やはり、恋でした」
恋でした。
恋でした。
――恋でした。
さよならを言おう。
大好きだったあなたと
頑張っていた昨日までの私に。
(了)
読んで頂きありがとうございました。
昔書いた作品が幾つか出てきたのですが、本作は何だか心に引っかかるものがあり、少し文言を加えて投稿させて頂きました。
女の子は恋をする程強くなると思うのです。
この先、もっと素敵な恋を彼女ができますように。