ルリ、逃げる?
(それにしても和彦も{エフィル}にいたなんて…カナゴからムーブモンスターのことでも聞いたのかな?だとしたら急がないとなぁ…)
モストラリング。実はこの指輪にはもう2つの機能がある。
1つ目は光の柱を出現させること。
2つ目は、装着している人のみが相手のおおよその位置を感じることができることだ。
強志が和彦がいる場所がどこなのかわかったのも、その2つ目の効果のお蔭、ということだ。
「ピュピュイッ!」
「どうしたの、ルリ?」
ルリが突然大声で叫んだので全員が驚き、ルリを見ると、ルリは森の中を強志達がギリギリ追いつけるほどの速度で飛び始めた。
もちろん、慌てて走り出す。
「おいルリ!どうした!」
「ルリちゃん!ジアたちのとこにもどってきてくださいっ!」
「あれ?ルリってこんなに遅かっただか?」
「もしかすると、私達に何か伝えたいものがあるのかもしれません!」
「きっつ…剣が…剣がおめェよ…うおあっ…足元が木の根っこばっかで走りにくいしよォ…」
「僕はロックんに乗ってるから楽だけどね。」
「宜しければ、ボレアス様もお持ちしますが?」
ボレアスの愚痴はともかく、確かにルリが突然飛びだして行くことは今までになかったので、きっとなにかがあるのだろうと思い、走り続けることおよそ2分。
ロックん以外の全員が体力の限界を迎えようとしたそのとき。
ドゴォォォンッ!
という耳をつんざくような爆発音と、大地の震動が伝わってきた。
その直後には爆風と砂煙が強志達を襲う。
「ピュピィ!」
「おっと、ルリ!危ないから僕の服の中に隠れて!」
爆風で飛ばされたルリを器用にキャッチし、軽く服を被せて守る。
しばらくして、爆風と砂煙が落ち着くと、ルリは自ら服の外に出てきた。
「そういうことだったんだね。それにしても、いつの間にこんな近くまで…」
「俺達、長いこと歩いてたから気付かなかったな!」
「途中で何回か野宿しましたからね~…久しぶりの長旅はちょっと苦しいですね。」
勇者一行は、ようやく近づいてきた{エフィル}へ向かって再び歩き始めた。
前書きでも言いましたが、重要なお知らせがありますので活動報告を必ずみて頂きたいです。




