敬語を使うのは簡単なのに使わなくするのは急には難しい
ブクマ登録2人!有名な方々にはまだまだ劣りますが、それでも2人もブクマして頂けたことに感謝しつつ頑張って更新していきたいと思います!
ゴクゴクと音を鳴らしながら豪快に飲む2人を僕とヘクセさん、サクロさんで見ていた。
「悪いねツヨシ、あいつらマナーってもんが苦手でさ…」
「そうですね~…でも、いつもはこうですがマナーが必要な時はちゃんとしているんですよ?」
ヘクセさんの発言に対し、サクロさんは優しく2人をフォローした。
「アハハ…お気になさらず。」
「ん?なにか俺の事言ったか?」
「おらの事も言っただか?」
「「「いいえ、全く。」」」
思わずハモり笑ってしまう。
「すいません…なんだかおもしろくて。」
笑いながら僕が言うと
「いや、いいんだ。…ところでさ、君。さっきから敬語を使っているけど、
僕達は特に偉い身分の人でもないしそんなに畏まらなくても大丈夫だよ」
(…いやいや、1人貴族おりますやん…)
「えと…その、そちらがいいのであればジェ、ジェイマーと呼ばせて頂き…もらうよ。」
「皆もそれでいいだろう?」
「うん」
「おらは元々いいよぉ」
「私も別に構いませんが…」
「ほれほれ~皆いいってよ!」
「あ、ありがとうござ…ありがとう」
「ぎこちねぇなぁ」
冗談めかした声で言うジェイマーに対し、
「そのうちなれるでしょ」
とヘクセさんが返す。
「さて、俺達今から{イニーツェト}って国に行こうと思うんだがついてくるか?」
(…うん?どこ?そこ)
「そこってどんな国なの?」
「「「「えっ!?」」」」
「…イニーツェトを知らないのかい…?」
「?うん。」
「おら初めてイニーツェトを知らない人みただぁ」
「僕も会ったことがないよ。もはや貴重じゃないか?知らないなんて」
「私は行ったことはありませんが名前だけは知っていました…」
「え?え?そんなに有名だったんですか?」
「そりゃ有名どころか伝説だよ…」
「どんなところか教えてほしい!…です」
「おらはあんまりしらねぇけど、ジェイマーは行ったことあるがら、大体しってるんでねぇの?」
「俺はあんまり…でもまぁざっくり言うと恐らく世界中で最も商業が発達している国だよ。
中には洋服屋、防具屋、武器屋に道具屋飲食店。世界中のものがそろってるんだ。
なにせ全種族の中立区域であり、各種族の伝統文化が混ざり合って新しい文化ができたことによってさらに発展して豊かな国だからね。」
ジェイマーの話が本当なら本や美味しい食べ物、娯楽施設でゲームだってできるかもしれない…
「い、いきたい!」
目をキラキラと輝かせながらジェイマーの瞳をジー…っとみつめる。
「わ、わかったからその目はやめてくれ…」
「いよっしゃ!あ、でも僕見ての通り何も持ってないです…」
「そういえばそうだよね。君は武器すら持っていないなんておかしいよ」
純粋に気になって質問したのだろうが、ヘクセに責められている感じがあって気まずい。
「僕、気付いたらここにいて。名前しか覚えていなくて…」
(前世で嘘ついて人をだますようなゲームやってたのが役に立った!)
昔は「ゲームなんかしてても時間の無駄!役に立つこと無いんだから勉強しなさい!」
と、怒られたこともあったが今ではゲームの知識が役に立ったので結果オーライだ。
母さん。ゲームだって役に立つのだよ。フッフッフ…
「そうか…そんな事が」
(やめて!ジェイマーさん!そんな憐みの目線を向けてこないで!)
周りをみると全員その目線を送ってきていた。
(違うから!嘘だから!…って言いたいのにいえないぃ…)
「安心してくださいツヨシ。きっと神は貴方を正しい方向へと導いて下さります。」
「あ、はい。」
(神ねぇ。異世界転生しちゃうくらいだし神がいてもまぁ信じられなくはないかな…)
「そろそろいくだよ。」
「うん。そうしようかな」
「おう!じそれじゃ、出発だ」
「はいっ」
「うんっ」