カズヒコ編④レオスの森
すいません…いつもより文字数少ないです
それにしても、本当にこのルートでいけるのか。
[マイポジション]に示された{エフィル}までの最短ルートを行くため、木々が生い茂る森の中を進んでいた和彦は何度もそう思っていた。
盗賊との戦闘を終えてから30分も経たないうちに{レオスの森}と呼ばれる森に入ったが、道なき道を進むにつれて、だんだんと方向感覚麻痺してきたのである。
幸い、和彦は魔道具により遭難は防げるが、どこまで進んでも同じような景色なので[マイポジション]が故障したのではないかと思ってしまう。
「アオォォーン…」
森のどこかで発せられたその声は、一瞬にして和彦を警戒させた。
レオスの森には多種多様なモンスターが生息しており、その中でも森の番犬と呼ばれるモンスター、
レオスウルフの声だ。レオスウルフは群れで行動し、あちらこちらに巨大な根が露出しているレオスの森の地面をものともせず、とにかく素早い動きと鋭い爪や牙による高い攻撃力をもっている厄介極まりない。
ダッダッダッ、という足音がだんだん近づいてくる。和彦は鞘から刀を抜き、耳を澄ませた。
どうやら囲まれているらしく、足音は全方向から聞こえてくる。
示し合わせたのか、同時に木の裏から出現したレオスウルフの数に思わず驚いた。
何故なら10頭ものレオスウルフがいたからだ。普通、レオスウルフは5~9頭ほどの群れで行動するので珍しい。
「ワオォォォーーン!!」
和彦の前方にいるレオスウルフが雄たけびをあげると、周りのレオスウルフ達も一斉に襲いかかってきた。




