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旅する鍛冶師と勇者たち。  作者: バドライ
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カズヒコ編②壁の文字

「挨拶もすませたことだし、そろそろ行くとするか。」


誰にも聞こえない程度のボリュームでそう言うと、和彦は村を出た。

地図の上に魔道具[マイポジション]を置き、エルフの里{エフィル}のムーブモンスター現象を調査し、解決するべく歩き出す。

先程から空が分厚い雲に覆われており、今にも雨が降りそうに見える。それに気づいた和彦は、歩みを早めた。





ザーザーと地面に激しく打ち付ける雨。和彦がいるのはたまたま見つけた洞窟の中。

雨が止む様子が無いので奥へと続く道を探索していた。

洞窟の中には光り草が生えており、明かりに困ることはなく進んで行った。


「キィッ!キィ!」

「…ケイブバットが6匹か。なら…【辻斬り】」


和彦の体が地面の上を滑るようになめらかな動きをして、次々とケイブバットを斬っていく。

戦闘開始から終了までは5秒もかからなかったようだ。


「まぁ、この程度の敵なら問題は無いか。」


屍を端に寄せ、光り草が示す道を歩き出した。




――およそ10分後。


「壁に…文字?」


目を凝らせばギリギリ見えるその文字は、壁に彫られたものだ。つまり、文字らしきなにかではなく誰かが『意図的に』彫ったということ。なにかを後世に残す為に書かれたものならば、いずれ役に立つかもしれないと思い、その文字を読むことにした。


行方知れずの悪魔、かの地に再び君臨すればたちまち村は焼かれ、国は滅ぶだろう。

悪魔に対抗せしもの、すなわち勇者。勇者の光の元に集いし者と力を合わせ、数多の試練を経験し、たくましき者となるだろう。


「行方知れずの悪魔…魔王の事か。かの地はまだわからないな。勇者はジェイマーの事。

集いし者は強志達。最後は…数多の試練か。ムーブモンスターも試練の内か?」


壁に書かれた文字を暗記するまで何度も読み、カナゴに会ったときに報告しようと思ったのであった。


「勇者、か。…アイツからは聞いたが、モンスターを呼び寄せるとか言ってたな…

試練というのはそれか?それとも…?いずれにせよ、それが正しいかどうかもわからないな…」



いつの間にか雨音は消えていたことに気付き、洞窟の最奥にいるということを思い出し、

外へ向かって歩き出した。


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