名前は何にしよう?
「ピュイッ!」
何だか今朝は聞いたことのない鳥の鳴き声が…
ん?鳥…そういえば昨日鳥…
「ッ!?」
「ピイッ!」
強志の腹部には愛らしい鳥がちょこんと乗っていた。
「目が覚めたんだね…よかった!」
「ピ!」
嬉しそうに目を細めるブルーハワイ。その頭を撫でているといつの間にかジェイマー達も起床した。
朝食の準備ができたとのことでブルーハワイを肩に乗せながら一階に降りた。
「お、元気そうだな。」
「ピュイッ!」
「その様子ならもう大丈夫そうだな。」
「ジアも触っていい?」
「ん、いいよ。」
目を大きく開きながら恐る恐る手を出すと、ブルーハワイの方も「撫でて」と言わんばかりに
頭を差し出し、彼女の小さな掌に頭を擦りつけた。
「あ~…そろそろご飯食べないと。」
「おらもハラペコだよ…」
「そりゃみんなそんなもんだろ。」
「ブルーハワイの朝食はそこにあるからな。…急ごしらえだから野菜(草)しかないけどな。
それじゃ、いただきまーす。」
「「いただきまーす!」」
朝食を終え、仕事の準備をするべく店に向かう。
ジオが鍵を開け、全員が店に入って清掃を始めた。
箒を持ったヘクセが問いかける。
「皆、僕ずっと思ってたんだけど…」
「どうしましたか?ヘクセさん。」
「…そのブルーハワイ、飼うの?」
「あ…う~ん…僕は飼いたいけど…ジオさ――」
「いいよ。」
「へ?」
「鳥、好きだから飼っていいよ。」
「なっ…」
即答するジオ。
「ただ、餌代は強志君負担だし世話もちゃんとしろよ?」
「ありがたや…!」
「なぁ強志、飼うんだったら名前とか決めなくていいのか?」
「そっか…名前か…」
確かにずっとブルーハワイと呼ぶのは名前が長くて面倒でもある。
「だったら『ぴーちゃん』はどうでしょうか?」
「ん~…ありふれた名前だから却下。」
「そんなっ…」
ガックリと床に膝をつき、「私が鳥を飼うなら絶対この名前にしようと決めてたのに…」
と声に出すサクロ。
「あ、僕思いついた。ルリにしよう!」
「名前の由来は?」
首をかしげて聞くヘクセに対して答える。
「この綺麗な瑠璃色の羽が由来だよ。」
「なるほど…僕はなかなかいいと思うよ。」
「ホント!?じゃあこの名前で決まりだね。今日から君の名前はルリだよ!」
「ピュルイッ!」
その名前を気に入ったのか、強志の肩に乗っているルリは強志の頬に頭を擦りつけた。
「あーもう、くすぐったいよ!」
「おいおい、ちゃんと掃除しろよ~。」
「あ、はーい!」
ジオの一声により、全員が掃除を再開した。




