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旅する鍛冶師と勇者たち。  作者: バドライ
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傷ついた鳥

今回は強志の一人称視点で書いています。

何日も更新サボッて申し訳ないです

「よし、今日の仕事はこれでお終い。皆お疲れ様!解散!」

「「「おー!」」」


仕事が終わるのは午後7時。その後は自由行動なので僕は特にやりたい事もないので1人で村の外に出て何かに使えそうな草が生えていないか探しに行った。


傷にすぐ効くこの世界ならではの薬草を発見したのでとりあえず[ストレージ]にしまう。


僕がふと頭上を見ると、そこには満点の星空があった。

地球じゃなかなか見ることができない光景だなぁ、と思いながらぼーっとしていると

一瞬だけ視界に黒い影が入った気がして目を凝らし、剣を抜いて警戒する。


「ピュイィィッ!」


…?聞いたことのない鳴き声…


そのような事を思っていると、頭上から≪何か≫が落下してきた。


青い鳥?…大きさはオカメインコ程だろうか。全身がサファイアのような美しい羽毛で覆われているが、背中の一部からは深紅の血液が少しずつではあるが流れ出ている。


ストレージから先程採った[チドメグサ]を取り出し、手にはさんですり潰した物を傷口に塗って止血した。ちなみに後から知った事だけど病原体を落とすためによく洗ってからじゃないとダメらしい。


「グアァー!」


また聞いたことのない鳴き声が上から聞こえてきた。


「わっ!」


大きな鳥が僕を睨みながら急降下してきた。もちろん全力で逃げているけど、このままじゃ追いつかれる…!


「こうなったら…戦うしかない!」


鳥を木の根元に置いてから剣を抜いた。

相手は威嚇しているがすぐに襲ってくることはなく、しばらくの間睨み合っていた。

痺れを切らした鳥が襲いかかってきたので、僕も剣を構える。


「グゥゥアァァー!」


少しだけ力を溜め、大きな翼を力いっぱいはばたかせた。

…ちょうどいいかもしれない。『あの技』を使ってみよう。

やがて鳥は強志のすぐ近くまで迫ってきた。

剣を地面にグッと差し込み、僕のスキルを出す。


「今だっ!【衝撃波】!」


ブオォッ!という音。続いて不可視の空気の壁が僕から出現し、半径2メートルほどまで広がった。

衝撃波に吹き飛ばされた大きな鳥は木にぶつかってすでに意識を失っていた。

…ちなみにその木は根元からポキッと折れてるけどこれは気にしないでおこう。


「キングトロールを吸収したら使えるようになったけど…このスキル、なかなか強そうだなぁ。」


独り言をつぶやきながら先程助けた鳥を抱き上げる。


「さ、そろそろ村に戻ろ。」


星空の下で傷ついた鳥を抱えながら僕は村に向かって歩き出した。

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