師匠
村への移動中、ヘクセは最後の命令が何だったのか、いつ命令されたのかを聞いたが、
ロックゴーレムは「記憶がありません」と言うだけだった。
やがて村に着いたが、村中を騒がせていたロックゴーレムが村に来たのでさすがに村人が怯えるが、
ジアがもう敵対行動をとらないと説明してくれたおかげで怪しまれたり、怯えたりしつつも村に入る事ができた。
「一度師匠の家に戻ります!聞きたいことがあるのでついてきてください!」
と言われたのでジアの後をついていく事にした。
「師匠!ただいま戻りました!」
村の端にある家の扉を開けたジアは元気よくそう言った…が。
「えぇい、うるさい!」
という声が聞こえた直後、中から枕が飛んできて
「フゴッ!」
…見事にジアの顔に直撃した。
「うぅ…師匠、あんまりですよ…」
「毎回言ってるけど、そろそろ静かに入ってきてほしいもんだ…」
「す、すいません…あ、でも師匠!人間族のお客様が!」
「!?…それを早く言えよ…入っていいぞ。見苦しい所を見せてすまない…」
そう言われて家に入ると30歳ほどだろうか?男性がベッドの上に座っていた。
「お、お邪魔しま~す…」
「おう…で、ジア…ちょっと説明してもらいたいんだが…」
男性は扉の向こうからこちらを覗いているロックゴーレムを指差してジアに色々と質問をしていた。
「うん…全くわからん。話が全くわからん。そこのメガネをかけたヤツがアークデーモンの生まれ変わり…?ゴーレムはアークデーモンの血液に反応する…?」
「あ、僕の事?そうらしいよ。そこのゴーレムが言ってた。…僕には本当かどうかわからないけどね。」
ヘクセもさっぱりわからないので肩を竦めている。
「ハッ!そうだ師匠!師匠に聞きたい事があって連れてきたんです!」
「なんだ?弟子ならお断りだ。お前は仕方なく弟子入りさせてやったがな…」
「違います!アークデーモンについて詳しく話して頂きたいのです!
この人達もあまり知らないので物知りな師匠なら知っているかと思いまして!」
キラキラとした期待の眼差しを師匠に向けるジア。
「…面倒だなぁ…だが、これも何かの縁だな。いいだろう。足の骨が折れて動けないから適当に俺の近くに座ってくれ。」




