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旅する鍛冶師と勇者たち。  作者: バドライ
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ジアという名の少女

すいません…すいません…2日連続で更新休んですいません…

―翌日―


朝食を終えた6人はティオール村を目指して歩き始めていた。


「それにしても、この方角で合ってんのか?」


いくら進んでも何も見えないので不安になったジェイマーがふと思った事を口に出した。


「ああ。俺はこの地図を持っているからな。地図は一応買っておくといつかは役に立つぞ。

例えそれが行った事のある場所でもな。」

「でもよ、結局地図なんて見てても方角間違ってたらどうすんだよ。」

「ここをよく見ろ。」

「こっ…これは…!」


ジェイマーが和彦の地図を見て驚いていたので強志も気になってチラッと地図を見ると地図には謎の三角マークが表示されていた。


「この魔道具…[マイポジション]は高級品なんだ…触らないでくれ。」


どうやらゲームにあるような自分の位置と向いている方角を示す魔道具のようだ。


「便利だなぁ…いいなぁ…僕も欲しいなぁ…」

「…絶対にやらんからな。」

「デスヨネー」


分かっていても少し悲しくなる。

そんなことを話しながら進んでいると、突然パキッ、という音が鳴った。


「誰かなにか踏んだ?」


と強志が問うが、全員が首を横に振る。

またパキッ、という音がした。今度は先程より大きく、はっきりと聞こえた。


「…確かに何か音がしますね。」

「お前ら、一応武器を構えろ。何かイヤな予感がする。」


ついに何かが砕け散る…いや、空間そのものが砕け散る。


「ッ…!!これは空間魔法!?」


ヘクセが驚愕の色を顔に浮かべながら茫然と穴がぽっかり開いたような空間を見る。


「あれ?間違えちゃったかなぁ…」

「…誰だ?」

「はうわっ!?やっぱ間違えてる!すいません!すいません!師匠に空間魔法を教えてもらったのですがうまく使えなくて練習していたらこんな所に来てしまって!」


そう話す人物の頭には小さな耳がついており、ピョコピョコと動いている。


「もしかして君、獣人族…いや、猫人族(ねこびとぞく)かい?」

「は、はいっ!」


元気よく返事をした少女。ピンク色の髪から出ている耳がピンッ!と立っている。


「なら余計わからなくなってきた…」

「ヘクセ、どうしただか?」

「…本来猫人族に限らず、一部を除いて基本的に獣人族は魔法が苦手なんだ…しかも今の魔法は

上級空間魔法【テレポート】。僕でもうまく扱えないんだ。なのになぜ彼女は発動すらできないはずのあの魔法を…」


ヘクセは頭を抱えて「う~ん…」と悩んでいる。


「ところでお前、名前は?」

「ちょちょ!初対面でお前はないでしょ!」

「俺は今、コイツに聞いているんだ。」

「う、うん…」

「えとね、ジアの名前はジア!ジーちゃんって呼んでもいいです!」


(じーちゃん…じぃちゃん…爺ちゃん…ダメだ、普通にジアちゃんって呼ぼう…)


「じ、ジアちゃんはもしかして{ティオール村}に住んでたりするかな?」

「ジアはそこに住んでます!でも最近、村の近くでロックゴーレムが出たんです!

でも、猫人族は素早い代わりに非力な種族なんです!このままじゃ倒せずロックゴーレムに…」

「…ちょっと待って、ジアちゃん。確かロックゴーレムは古代魔術で太古に作られた物のはず…

それに、今まで動いている所を見た者は誰もいない…本当にロックゴーレムなのかい?」


ヘクセの問いに答えるジア。


「ジアは見ました!人の形をした岩が動いているところを!何人か村の人も襲われていて…

早く…早く倒さないと村が…!村が壊されちゃうかもしれないんです!

だからジアが師匠に魔法を教えてもらってるんです!魔法ならうまくいくかもしれないので…!」


ジアの泣きそうな瞳に気付くヘクセ。


「…空間魔法で村に行く事はできるかい?」

「…わかりません…でも、やるだけやってみます!【テレポート】!」


ジアがそう言うと、パキッ、という音が鳴った直後、空間に亀裂が走ってぽかりと穴が開いた。


「こっちです!!」


ジアに続いて6人は穴に吸い込まれるように入って行った。

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