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旅する鍛冶師と勇者たち。  作者: バドライ
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里に戻ると、里の人々が門の周辺で立っていた。


「なっ…どうしたのこれ…」

「…申し訳ないでござる。恐らく拙者が昨晩父上に緑巨人を討伐しに行く事を言ってしまったのが原因だと思うでござる…」


少ししょんぼりしながらぼそぼそと呟く太郎。


「ガーッハッハ!太郎!!ついに緑巨人を討伐したようだな!!」

「ああ…父上…やはりですか…そこまで盛大に迎えなくても…」

「息子達がかの緑巨人を討伐したんだ!父が祝わなくてどうする!ガーッハッハ!」


(ダメだこの人…人の話を聞かないタイプの人だ…)


それにしてもこの人数。太郎の父親は里の中で顔が広いのだろうか。


「…紹介するでござる。この方こそ我が父上であり、この里の里長である。」


「里…」

「長…!?」


強志とサクロが示し合わせたように思わず口に出す。




強志達は里長(名前は川近虎郎(とらお)というらしい)に是非お礼がしたいと言われ、

家に上がっていた。


「遠慮せず好きなだけ食っていくといい!キングトロールとの戦いの話も聞きたいからな!」

「は、はい…じゃあ遠慮なく…」

「美味いもんが食えるなら俺はそれでいい。」

「おいおい和彦、話にも参加しろよ…」


机の上にはお吸い物や焼き魚、おひたしとお米が並べられている。


「さて、早速緑巨人…いわゆるキングトロールの事だが、この件は大変世話になった。見ず知らずの旅人が討伐するとは…いやはや、恐れ入った!ところでお主ら、名は何と申す?」


軽い自己紹介をする強志達。その後は太郎はどうやって強志達と出会ったのかを話し、

今回は運が良かっただけで次からはしないように。と軽く叱られていた。


「そういえばなんで太郎はここじゃなくて宿屋にいたの?」

「拙者、家出してたでござるよ。」

「えっ」


衝撃の事実。


「里の戦える者全員を集めて討伐しようという話をした後、色々と口論になって家を飛び出したで

ござるよ。」

「まぁ、結局そのお蔭で犠牲者も出ずに討伐できたではないか!ガーッハッハ!」

「…父上、自慢げに言うところではないでござるよ。」

「ん?そうか?」




この後、しばらく雑談とキングトロールとの戦闘で話しが盛り上がった。


「おっと。もう夜になってしまった。いやはや、時間が経つのは早いものだな。

今夜はここに泊まっていくといい。」

「いいんですか!?夕食も頂いたのに…」

「キングトロールを倒してもらった方々だ。この程度じゃ返しきれない恩がある。」

「そうですか…なら、お言葉に甘えさせて頂きます。」


来客用の部屋に案内された強志達はお風呂に入った後、深い眠りについた。

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