仇討ち
～あらすじ～
スパルタパーティーに強志と和彦がいじめられた。
「【ダークボール】【ダークボール】…」
強志は少し距離を取り、後ろからナイトメアドラゴンから入手したスキル
【ダークボール】を放っていた。
「おい強志!俺に当たるからもう使うな!」
「だってそんな事言ったって近づいたら危ないじゃん…」
「のわっ!？おい!いい加減にしろよ!」
「うぅ…わかったよ…」
ダークボールの発射を止めた強志。残念なことにキングトロールには傷一つついていない。
「な…傷一つない…」
「予想以上に魔法に対しての耐性があったな…」
キングトロールは両手をハンマーのように組んで反撃を開始する。
「わわっ!」
「おっと。」
ズドォォン!という衝撃音が何度も聞こえる。
２人はとにかく逃げるために武器を納刀し、全力で逃げる。
「撃つでござる!少し離れるでござるよ!」
「わかった!」
「了解だ。」
「【剛速射】」
ヒュンッという風切り音が和彦の耳元で鳴った。
「グ…グオォォ!？」
先程のトロールのように目に矢が命中し、目を抑えるキングトロール。
だが、トロールとは違って倒れてはいないようだ。
「ふぅ…」
「まだ油断はするな。アイツはまだ何か仕掛けてくるはずだ。」
和彦の言った通りキングトロールはこちらをキッと睨んだ後、跳んできた。
「のわっ!？」
ギリギリ跳んで回避した和彦。あまりの風圧に体がさらに浮く。
「今だッ!」
キングトロールの目に意識を集中させつつ刀に手を添え――
「【居合斬り】」
納刀状態の刀を瞬時に抜きつつ1撃。さらに力を込めた2撃目でキングトロールは倒れる。
「倒した…」
「…やっと倒せた…もう僕疲れたよ…」
「さすがです!カズヒコさん!」
「丁度向こうも終わったよ。君達のおかげで少しは楽になったかな。」
「…おら、ほぼほぼ出番なかっただ…」
しょんぼりするカインにかけよるジェイマー。
「いやいや、お前のおかげでトロールの攻撃防げたし活躍してたって!」
「ホントだか!？」
目を輝かせてジェイマーを見るカイン。ジェイマーは若干引いているが。
「ようやく…ようやく終わったでござるね…これで死んでいった里の者の仇は取れたでござる…」
「…そうだね。太郎も情けない自分と別れる事ができたしね!」
「強志殿…!」
「…疲れたし、そろそろ戻ろうか。」
「そうだな。俺も少し疲れた。」
