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旅する鍛冶師と勇者たち。  作者: バドライ
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VS.ナイトメアドラゴン3

「よっし!復活!」


回復魔法を受けて完全復活した強志はジェイマーに駆け寄る。


「うし!行くぞ!」

「オッケー!」


ジェイマーと共にドラゴンへと駆け出す。


しかし、その瞬間――


予備動作もなく突然吐き出された闇色のブレスにより、あっけなく深手を負ってしまう。


「ッ!?」

「う…ぐ…」


一瞬にして満身創痍の体になった2人に、慈悲もない爪が容赦なく振り下ろされようとしている。


「ジェイマー!」

「ツヨシさんっ!」


ヘクセとサクロが叫ぶ。

死を覚悟した2人は、静かに目を閉じた。


…しかし、いつになっても振り下ろされることのない爪に違和感を覚えた2人はまるでタイミングを示し合わせたかのように同時に目を開く。


そこにはドラゴンの爪を軽々と防いでいる黒髪の少年がいた。


「何をしている。早く立て。」

「あ…貴方は…?」

「俺は立てと言っている。ヒールはかけたから、もう動けるはずだ。早く離れろ。邪魔だ。」

「お、おう。ありがとな。」

「…ありがとうございます。」


(この人は一体…?)


「来るぞ。」


あと一歩という所で邪魔をされたドラゴンは、今までで最高に怒っていた。


「【龍断(りゅうだん)】」


(あれは…剣じゃない!刀だ!)


少年の刀に赤いオーラのようなものが(まと)わりつく。


「あっ!そこは硬い部位で…!」


ドラゴンの腹に放たれた斬撃はいともたやすく鱗を貫通し、肉を断つ。


「ギュラァァァッ!」


後方へステップしながら鋭い視線で少年を睨むが、少年は全く動じない。


「やれるもんなら、やってみろ。」


少年の一言によってついに怒り狂ったドラゴンが大量の黒い玉を放つ。

しかしいとも容易(たやす)く躱し、少年は一歩ずつドラゴンへ歩み寄る。


次はブレスを撃つために力を溜めているのか、全く動かないドラゴン。

しかし、少年は動く気配すらない。


「ブレス攻撃が来ます!早く逃げないと!」

「分かっている。黙って見ていろ。」


やがてドラゴンがブレスをいつでも放てるようになったのか、動きを止めて様子をうかがっている。


「来ないなら、俺から行くぞ。」

「ちょ、君――」


「フンッ!」

刀を野球のバットのように振り、ブレスを上空へ打ち上げる。


(あの刀…ずいぶん丈夫だな…そんなことより、あの人の能力おかしいでしょ…)


「…さて、お前の攻撃はそれでお終いか?」

「ギュラァァァ!」

「威嚇しても無駄だ。」


少年はさらに一歩ずつ進んで行く。


「必死に抵抗しても無駄だ。お前の生はここで終わる。」


ついにドラゴンの目の前に迫った少年は容赦なく剣を振りかざした。


「終わった…のか?」

「…多分。あ、ヘクセは!?」


後ろを振り向くと、ちょうどヘクセが意識を取り戻した所だった。


「よ、よかっただぁ!」

「…ん?ドラゴンは…?」

「それがね、あの人が…ってあれ?」いつの間にか少年は消えていた。


(…一体、何者だったんだろう…)


「それがね、ヘクセが倒れている間…」


説明を聞いたヘクセが「そんなことが…」とつい思ったことを口に出した。


「とにかく一旦村に報告しないか?」


ジェイマーの一言により、一度村へ戻る事になった。

討伐の証としてドラゴンを[ストレージ]に入れると、5人は村へと向かった。

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