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旅する鍛冶師と勇者たち。  作者: バドライ
24/70

VS.ナイトメアドラゴン1

「ちょ…ストップ。足音が聞こえる。」

ジェイマーの言う通り足を止めると、確かにドスン、ドスンと足音がした。

足音の鳴る方向を見ると、漆黒の鱗で身を包み、赤く光る獰猛な目を持つドラゴンがいた。

「うわっ…アレがナイトメアドラゴンか…確かに悪夢みそうなくらい怖いや…」

「あーっ…ダメだっ!僕はここで待ってるよ!」

「ヘクセさん!もちろんついてきてもらいますよ!」

笑顔でヘクセの腕をつかむサクロ。ヘクセは若干涙目である。

「ヘクセ、おらが守るからでぇじょぶだよ。」

「あ~っ!もういいよ!わかったわかった。僕も行くから!」

仕方なく了承したヘクセ。しかし、この大声はナイトメアドラゴンに届く。

「気付かれた!奇襲を狙いたかったがやむを得ん!皆、行くぞ!」

茂みから飛び出すと、配置につく。

「武器を構えろ!」

ジャキイィンという音を鳴らしながら剣を抜く。

隣にいるジェイマーは少し震えているようにもみえる。

「ギュルオォオォオォ!」

赤く光る目で鋭い視線を送ってくる。威圧感がすごい。

「来るぞ!」

「【セイント・アロー】」

サクロが神聖杖を掲げると、ドラゴンの頭上に軽く30本は超える光の矢が出現する。

それらが一斉にドラゴンへと直撃する…が、傷一つつけられていない。

「【ヘルファイア】」

ヘクセの杖から大きな火の玉が出現し、ドラゴンに向かってまっすぐ飛んで行く。

「【トルネード】」

さらに小規模の竜巻が発生し、周囲の小石やヘルファイアを巻き込んで炎の渦となる。

「グルアァッ!?」

炎の竜巻にはさすがに驚くが、ドラゴンは素早く横へステップ回避する。

「ぼ、僕がそんな簡単に躱せる攻撃をするとお、おお思うかい?」

「おーいヘクセ、格好つけるのはいいけど声が震えてるぞ。」

震えるヘクセはともかく、炎の竜巻はドラゴンを追尾し、ドラゴンに当たる。

「ギュルアァッ!」

炎の竜巻に飲み込まれたドラゴン。最後に発した声は断末魔だろうか。

「やったか!?」

「ジェイマー…それ…」

フラグだから!という言葉を待たずに炎の竜巻は霧散し、中から赤い光が見えた。

「ま、まさか…」

「…あ~あ…ちょっと怖いけど…行こう!」

「お、おう!」


ジェイマーと強志が走り出す。

「【スピードアップ】!【グレードアップ】!…はぁ…はぁ…」

「サクロ、でぇじょぶだか!?魔力切れ起こす前に、一度休んだほうがいいだ!」

「は、はい…」

魔力切れとは、魔力の使いすぎにより起こる強い倦怠感の事である。

基本的に魔力切れを起こすと気絶してしまう。

「「ありがとう!」」

「ジェイマー、あの首の辺りが柔らかい!刺して!」

「おう!任せとけ!」

首へ向かって一直線で走るが…

ブゥン!という音がなると同時にドラゴンの尻尾が振られる。

「うおわっ!」

ギリギリでジェイマーは回避に成功したが、ドラゴンの口からは黒い光が出てきている。

「カインッ!」

「わかってるだ!【グレートシールド】!」

――直後、ドラゴンの口から黒い玉が発射され、カインの盾に当たる。

カインが大きく後ろにのけぞっている時点で、どのくらいの威力だったかは一目瞭然だった。

「これは…油断できないね。ジェイマー、気を付けてね!」

「…ああ、言われなくてもわかってる!いくぜっ!」

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