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王の寝室
「ランよ。結婚してもよい年頃になった、だから良い見合い・・・」
「イヤイヤイヤ。父上。結婚相手は自分で選ぶんだから」
ブルドックの顔をした王様に抱きついて、嫌がるラン。
そして、ぬいぐるみの様な白いポメラニアンの犬が、首を左右に振って上目づかいで訴える。
「な、ならん。そなたは王女だ。だから国のために他国の王子と結婚するのだ。」
「イヤイヤイヤ。だって近くにいる他国の王子達は不細工だったり、無能だもん
・・・
だから、私が優秀なしもべ、・・・おほん失礼。
優秀な人物を探して結婚すれば、父上にとっても良い事では?」
「うーん確かに一理ある。だが、相当優秀じゃないと無理だぞ。他国と同盟関係を
結べば戦わなくてすむ。それよりも良い結果を出せる人物だぞ」
「大丈夫大丈夫」
自身満々なラン。
「でも。そんな優秀な者なら有名になって結婚しているのではないか?」
「だから、そんなおじいちゃんを選らばず、若くて将来性のある者を探すから
心配しなくても大丈夫だって。」
「うーん。では1ヶ月だけ猶予をやる。それで見つけなければ他国の王子と結婚させるぞ」
「え~。1ヶ月じゃ~少~な~い~」
「だめだ。これでも譲歩しているんだぞ」
「わかった。でも約束は守ってよ」
「わかった。」
「よぉ~し。行って来ま~す」
ダッシュで去っていった。
ダンジョン
「おーーい。大丈夫か?」
突然現れた血みどろの死体に、話かけてみた。
「こ、これと○△■~をスザクド×△○~~~」
血みどろのエルフが最後の力を絞って、何か呟いて動かなくなった。
「おい!!リング」
「リングって誰だピョ~~ン」
「お前の事だ。」
「ニョホホホ。新しい名前嬉しいのだ」
喜ぶリング
「はぁ~~疲れる。だからリング」
「なんだ。ピョ~~~ン ピョ~~~ン」
名前を呼ばれて嬉しかったのか、ハイテンションで答えた。
「何って言ったか聞き取れたか?」
「解らないのだ。これ、スザクドだけなのだ」
「一緒か」
エルフの男が手に持っていたベルトの様な物を取った。
そして、じっくり見るとベルトの真ん中にルーレットの様なものがあった。
「何だこれ?」
「珍しいのだ。紅レアアイテムなのだ」
「どういう道具何だ?」
「面白いアイテムなのだ。付けて見ればわかるピョ~~ン」
リングはニヤニヤした声で言った。
「何か嫌な予感がするから止めておこう」
「でも凄く良いアイテムかもしれないのだ。」
「そんなに良いのか?」
「ウンウン。凄く良い時もあるのだ。凄くパワーUP出来るアイテムなのだ」
「本当か?」
「ウンウン。リングウソつかな~~~いのだ」
「よし着けてみるぞ」
ルーレットのベルトを腰に着けてみた。
だが、何も起こらない。
「何も起こらないじゃないか」
「大丈夫 大丈夫 そのうち起動するから楽しみにするのだ」
「何かステータス見れないか?」
「ステータス?」
「こんな感じだ」
頭にイメージをした。
「面白い事考えるのだ」
「出来るのか?」
「もちろん」
「じゃ。やって」
「嫌だピョ~~~ン」
「何でだ。別にいいだろ?」
「タダでは教えないのだ」
「条件は?」
「もちろん。寿命を貰う事だピョ~~ン」
「寿命だと。ふざけるな。ダメに決まっているだろ」
「それじゃ。ダメだピョ~~ン」
(どうする。ステータスが表示出来れば、グーンと楽になるし、面白くなる。
でも、寿命を減らされて直ぐに死んでしまうかもしれない。
それは、嫌だ。ここに来てまだ何もやっていないから。)
「これがあると便利なのだ。」
「自分だけでなく、敵のデータやアイテムも表示出来るのか?」
「リングが知っている事なら出来のだ。」
(ゲームみたいに楽しめそうだな。今後のために寿命の1時間、もしくは1日分くらいならいいか。
元は取れそうだからな)
「よし。少しだけ寿命をやるから、ステータス表示をしてくれ」
「やった。やった。ありがたく貰うのだ~~」
カツが付けている黒いリングが光出した。
すると、体が重く感じた。
「ごちそう様なのだ。ゲフ」
満足そうなリング。
「ふぅ~。1時間分の寿命でこんなに疲れるだな。」
「オニョ?1年分だピョ~~~ン」
「!!!!! 何!! 誰がそんなにやるって言った」
「だって。少しって言ったのだ」
「少しっていうのは、1時間や1日分と言う事だ。
今のは反則だ。返すせ寿命を」
顔を真っ赤にして、怒鳴る。
「無理だピョ~~~ン」
「じゃ。1年分だから、365回。いや、1時間として、365日×24時間=8760回分
のお願い事を聞け」
「一度吸い取ったとった寿命は返せないのだ。リングは、相手の寿命を吸い取る能力が
メインなのだ」
「他に出来る事は何だ?」
「こんな事も出来るのだ。」
黒いリングが赤に点滅した。
すると、エルフの死体から生気が吸われて、砂になってしまった。
「うわぁああああ」
あまりにビックリしたので、尻餅をついてしまった。
「ぷはぁ~~~。美味しいのだ。やっぱり新鮮な死体は最高なのだ。」
「い、いいいきなり何するんだ」
「何って、他に出来る事をしてって言ったのだ」
「言ったけど、前もって説明してからやれ。ビックリするだろうが」
「え~~~。面倒なのだ」
「こいつ」
地面にあった石をリングにぶつけた。
「何かした?」
「フン。もういい。早くステータスを見せろ」
懲らしめようと思ったが、全く効いていないリングにガックリするカツ
「あいよ~~~なのだ」
ステータスがカツの頭の中に表示された。
レベル :15
名前 :カツ
種族 :モグ族
穴を掘るのが得意。
ダンジョン作りに最適。
総合ランク :C4
基本能力
体力 :73/C1
魔力 :78/C1
力 :85/C1
防御力 :95/C1
速さ :60/C1
命中力 :57/C1
魔法攻撃力 :30/C1
魔法防御力 :45/C1
特別能力
統率力 :2万/A1
知力 :2634万/A2
××××××:9875万/A5
魔法
種族魔法 :ホレホレ
土や石などを柔らかくする
装備 :ルーレットベルト
レベルアップ時に、
良い事か悪い事が起こる。
:死のリング
リングなのだ(^3^)/
「おお!!これが、俺のステータスか。どれどれ。
このランクって言うのは、Aが1番上なのか?」
「ブッブーなのだ。1番凄いのはSSランクだピョ~~ン。
凄い順に、SS、S、A、B、Cになるのだ。
そして、さらに細分化してあるのだ。
例えば、ランクCの場合。
凄い順にC5、C4、C3、C2、C1。
つまり、ランクC1が1番下で、SS5が1番上なのだ」
「ふぅ~~。俺ってめちゃくちゃ弱いじゃん。」
現実を知って落ち込むカツ。
「モグ族は、だいたいこんなものなのだ。」
(結構自分のステータスに期待したんだけどな。最強のステータスをさ。)
さらに元気が無くなり、しゃがみ込んでしまった。
「でも、モグ族にしてはこのレベルで、ランクAがあるのは今まで見た事ないのだ。」
「そぉお」
褒められて、しゃきーんと立ってニヤケル。
「ところで、この××××って何だ?」
「さぁ?何の能力が解らないけど、レベルがアップしたら見えるかもしれないのだ」
「ふーん。・・・・うん!!
俺。魔法使えるじゃん。すげぇ~~~さっそく使ってみよう。」
「ホレホレ」
地面に向って唱えた。
すると、畳1枚分の土が白いに変わった。
「やったーーーーー!!土の色が変わったぞ」
喜ぶカツ。その白い土を軽く手で掘ってみった。
「なんだこれは!! さっきまで硬かった土が豆腐の様にめちゃくちゃ柔らかいぞ。
すげぇーーー魔法って」
改めて感心するカツ。
「オニョ?このくらいの魔法で何大喜びしてくるのだ?」
「そりゃ。初めて魔法を使ったからさ」
「ニョニョヨ!!使ったことが無いの? 今までどうしていたのだ?」
「実は俺。異世界からやって来たんだ。その世界では魔法が存在してないんだ。」
「異世界!! どうりで能力が高いんのだ。異世界ってどんな所?」
興味深々のリング。
「まぁ。そのうち教える」
「教えて教えて」
「しつこいなぁ。そのうち教えるって言っただろ」
「フ~~ンだ」
すねるリング。
リングの事は無視して、モグラの爪で地面をどんどん掘り出した。
「おお!!掘りやすい。1回の魔法で広さが畳1枚分、深さが25mプールの大きさだな
なるほどなるほど」
上を見上げながら言った
「・・・・・どうやって戻ろう」
考え込むカツ。
突然、腰に巻いていたベルトの真ん中にあるルーレットが回りだした。
「何だこれ。ルーレットが回転しているぞ」
「ピ、ピ、ピ、ピーーーーーー」
白の10に針が止まった。
すると、カツの体に異変を感じた。
「何か強くなっている気がする。ステータスを見てみよう。」
レベル :25
名前 :カツ
種族 :モグ族
穴を掘るのが得意。
ダンジョン作りに最適。
総合ランク :C4
基本能力
体力 :153/C1
魔力 :168/C1
力 :195/C1
防御力 :221/C1
速さ :110/C1
命中力 :108/C1
魔法攻撃力 :70/C1
魔法防御力 :85/C1
特別能力
統率力 :4万/A1
知力 :2637万/A2
××××××:9877万/A5
魔法
種族魔法 :ホレホレ
土や石などを柔らかくする
:コルチェ
最初の場所に戻る
装備 :ルーレットベルト
レベルアップ時に、
良い事か悪い事が起こる。
:死のリング
寿命が大好きなリングなのだ(^3^)/
「やっぱり。LVが10上がっている。やったー!!
しかも新しい魔法をゲットーーーー!!」
「さっそく使ってみよう。コルチェ」
あっというまに地上へ戻った。
「やっぱり魔法って便利だなぁ」
嬉しくてしかたがないカツ。
(魔法を使ったり、穴掘りをしているとレベルUPするんだな。
しかもこのベルトは凄い!!
レベルがランダムに上がるんだなぁ。貰って正解だ!!)
だが、不満もあった。
「リング。レベルが上がったら教えてくれないか?」
「どんな風に?」
カツは、頭の中でイメージをした。
レベルアップしました。
体力 :+100
魔力 :+20
魔法を新しく覚えました
「こんな感じ」
「やだピョ~~ン」
「頼むよ」
「無理ーだーょーん」
「ケチ」
「でも、寿命となら交換してもいいのだ。」
ニヤニヤしならがら言うリング。
「何ーー!!また寿命か」
「何日分と交換で~す~か?」
嬉しそうに言う
「日じゃなくて、時間だろ。1時間だ」
「ダメー」
「じゃー5時間」
「ダメダメー」
「じゃー奮発して、10時間だ」
「ダメダメダメー」
「だったら、どれくらいが良いんだ?」
「30日」
「1ヶ月分かよ。ダメに決まっているだろ」
「じゃーやらないのだ」
(うーん。それは困る。だが30日分は多すぎる。
何か値切るものはないかなぁ。俺が持っているもので、
・・・・持っている?)
「よし。寿命の変わりに異世界の話をしてやるから、やってくれ」
「ニョホホ。異世界の話して欲しいのだ。OKOKOK」
「交渉成立だなぁ」
リングに向って、親指を立てた。
「どんな話が良いんだ?」
「どうやって死んだのだ?」
「あ、あ、その事。事故だよ事故」
歯切れの悪い言い方をするカツ。
「どんな事故?」
「忘れた忘れた。そんな事よりエルフって本当にいるんだな。ゲームの世界だけかと思った」
「ゲームって何?」
「うーん。子供達が遊ぶ娯楽の一種だな。
例えば、ゲーム機本体にRPGやシュミレーションのソフトを入れると遊べて面白いんだ」
「RPGって?」
「冒険するゲームの事で、基本的に敵を倒したら経験値を貰えて強くなるんだ」
「へぇー」
感心するリング
「リングに頼んだのは、RPGでレベルUPする時に表示されるんだ
どの能力が上がったか、どの魔法が新しく使えるようになったか。
教えてくれたら便利なんだ」
「ゲーム。面白そうなのだ。リングもやってみたいピョ~~ン」
「残念。ゲーム機の本体が無い」
「オニョニョ」
残念がる
「でも俺の願い事を聞けば、ゲームぽっくなるぞ」
「ニョニョ。きくきく。リングに出来る事があったら言うのだ。」
「さっきお願いした表示と音をお願い」
「音ってどんな?」
「テンションが熱くなるようなやつだよ」
「わかったピョ~~ン。こんな感じ良い?」
「ドドド どぉ~~~ん 」
ベートーベンの運命よりさらに低い音、低くて暗い感じの音だった。
「暗すぎだって」
「オニョ?リングは凄く気持ちの良い音なのだ」
(相手の寿命を吸い取る奴だから、俺と感性が同じなわけないか。)
この後、色々試したが良いのがなかった。
「ふぅ~~。もう音はいいや。レベルUPって言葉で言ってくれ」
「レベルUP~ レベル~UP レ~べ~ル~UP」
リングは楽しそうに言葉遊びをしていた。
(ふぅ~疲れた。でもタダでいう事を利かせたぞ。
何となく扱い方が解ってきたぞ。ニョホホホ。)