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99.『吾輩はミイである』/『ウインク』
『吾輩はミイである』
吾輩は猫である。名前はあるが、特に深い意味はない。ミイと鳴くからミイらしい。
それじゃ、ミャアと鳴いたらミャアとなったのかと考えるが、そんなことは分からないし、聞くことも出来ない。
ともあれ、名前は良い。吾輩は「ただの猫」から「ミイ」へと変わったのだ。愛に囲まれた生活を楽しんでいる。
『ウインク』
「ねえ、私と話す時片目をつぶるのやめてくれない?」
「いや、これは癖でね、無理な相談だ」
「でも……気持ち悪くなるから」
「え、僕の顔気持ち悪いのかい?」
「ううん、そうじゃなくて」
「よく分からない。ハッキリ言ってくれないと」
「わ、私の顔が皆の前で真っ赤になって気持ち悪くなるからよ!」