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87.『あるプロジェクト』/『色眼鏡』
『あるプロジェクト』
そのプロジェクトは、首を長くして待っている。
そもそもそれは、十数年前にある会社員によって生み出された。しかし、
「今の技術では無理だ」「ニーズに合わない」
と今も眠らされている。
ある日、一人の新入社員がそれに向かって言った。「首を洗って待っていろ!」
望むところだ。
『色眼鏡』
ある国の王は、物事を全て正しく視る自信がありました。貧困対策は成功し、環境美化を積極的に進めて国民の支持を得ました。
ある時、隣国の王が言いました。
「お前の国は等しい財産しか持てないし、ゴミを地中に埋めているせいでこちらに汚い地下水が流れている」