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62.『かくれんぼ』/『ゲシュタルト崩壊』
『かくれんぼ』
外は寒いので、家で孫とかくれんぼをする事に。
あの子は暗い所や狭い所が大好きだ。だからトイレや風呂場などに焦点を絞る。しかし、全く見つからない。五分たっても気配すらない。
休憩しようと座ってコタツに足を入れた。すると、餅のように柔らかいお尻の感触が。
孫は恥ずかしそうに股から顔を出す。
『ゲシュタルト崩壊』
「あ」を三十回書いてと彼に紙とペンを渡した。「どう? ゲシュタルト崩壊してる?」
すげーと感心してくれた。すると彼はまたペンを取って私の名前である「愛」を書き始めた。
彼から何回も名を呼ばれているようで恥ずかしい。顔が火照ってきた。
書き終わってから私を見る。
「愛って誰だっけ」
「おい」