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51.『スーパームーン』/『目覚めた時』
『スーパームーン』
「月が綺麗ですね」妻は窓から空を見上げてそっと言った。
大きな月が明かりを消した寝室を照らしている。風に揺れるカーテンが月光を和らげる。
「俺は君に相応しいのだろうか」服を脱いだ夫はベッドに横たわった。妻は振り返って微笑む。
「月のようなそのお腹も私は好きですよ」妻は裸身を夫に任せた。
『目覚めた時』
思春期真っ盛りの中学二年生の頃まで、女の子は私にとって天使のような存在だった。真新しい胸の膨らみ、傍を通る時に香る甘い匂い、可愛らしい笑顔――。
だから、彼女達がおしっこをするという事実は信じられなかった。幼女がそれをする音を偶然聞いてしまったのだ。
それから私は目覚めた――