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50.『処女の輪廻』/『百の顔を持つ男』

   『処女の輪廻』


 処女の血を入れ、男は壺の中身に混ぜていく。半透明の液体の中には、年端もいかぬ少女が眠るように体を丸めている。

 男は「今度こそ」と呟き、最後にすり潰した薬草を入れた。十年の集大成だ。成功してほしい。

 だが娘が目覚めることは無かった。

 今さら、輪廻の流れに還したくはない。




   『百の顔を持つ男』


 私は百通りの顔を持っている。数年かけた積み重ねの結果だ。

 最初は手抜きをしていたが、だんだん時間をかけた凝った物になっていった。顔を変えた直後は誰も私だと気が付かない。だが、一つ呟いて種明かし。「いつもすごいね」と褒めてもらえる。

 私は、さすらいのツイッタラ―である。

『百の顔を持つ男』にて、100作品目に突入いたしました。キーワードは明確だと思います。ちなみに『処女の輪廻』は、毎月14日開催の「ツイノベデー」参加作品で、テーマは「ぐるぐる」となっています。


 連載開始から、まだ一年もたっていません。今回で一区切りがつきましたが、今後も二区切り、三区切りと続くよう頭をひねっていきたいと思います。


 これからも、拙作をよろしくお願いします。

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