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119.『白黒』/『パンダの真実』
『白黒』
「かつて日本には、色が無かった。皆、白黒の世界で生活していて、それが当たり前だったから、変に思う者はいなかった。1964年の東京五輪の際、政府によって日本に色が導入され、ようやく世界に追いついた」という話を子供にしたら信じてしまった。
『パンダの真実』
世界はかつて白黒しか存在せず、パンダもその内に漏れなかった。
だが、先進国を中心に色が導入され、動物達の毛皮が色づき始めるのを見たパンダは、のんびりしてるように見えるものの、自分の配色に誇りを持ち、一切それを変えなかった、という話である。