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118.『空飛ぶ寝袋』/『雷様』
『空飛ぶ寝袋』
寝ながら出勤したくて、AIを搭載した空飛ぶ寝袋を開発し、試験を行った。開け放していた窓から飛びたち、真っ直ぐ会社に向かう。
だが、すぐに我が家へと戻ってしまった。
「どうした」
〈連日の残業による寝不足が深刻です。休養を提案します〉
『雷様』
昔々、雷にうたれてある人が死んだ。その者は輪廻の輪から外れ、雷を操る力を得た。
そして人ならざる者がやってきて、「雷を気に入らない人間に落として命を奪えば、お前は生まれ変われる」
その人間は拒否し、雷様となり、誰にもその力を渡す事なく、永遠に生き続けた。