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115.『駅前にて1』/『駅前にて2』

『駅前にて1』


朝帰りらしき21歳の女の子がいた。駅前の像にもたれて携帯を見ている。

出勤途中の私は近くを通りすぎようとした。しかし、

「待ってたよリョウくーー」明るい声をかけてきたが、顔を赤らめてうつむいた。

「彼氏か」私が尋ねると、

「うん」小さく頷く。

一人立ちした娘は元気そうだ。



『駅前にて2』


帰宅途中の駅前で、狂ったように叫んで踊る女を見た。店は全て閉まっていて人も車も全くいない。綺麗だったはずの洋服は乱れ、泣きじゃくっていた。

私は女の肩を叩き、

「どうした」

「リョウ君が、別れようって……」

「……今日はうちに来るか?」

娘は何も言わずにうなづいた。

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