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109.『消えた友達』/『寝過ぎた男』
『消えた友達』
六人の小学生が公園で遊んでいた。
ある時、そのうちの五人がこっそりどこかへ隠れた。残りの一人はすぐに顔を歪ませ、泣きながら辺りを探し始めた。
その声があまりに大きかったものだから、可哀想に思い姿を見せてなぐさめた。
「許さない」
すると、五人がその場から消滅した。
『寝過ぎた男』
退勤後車を運転していて猛烈な眠気に襲われた男は、路肩に車を停めて休憩することにした。「ちょっとだけ……」
ふと目が覚めると、そこには白衣を着た医者がいた。
「大丈夫かい? 君は三週間も眠り続けていたんだよ」
しばらくの沈黙の後に「原因は?」と医者に尋ねると、
「疲れていたんじゃないかね」