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8.お怒りのフローは、それでも仕事をしようとする

 

 次のチョコをじっくりと味わい、あ、サクランボだ、少しキルシュが入っているかも、とか楽しみながら、今度はコーヒーをもらったフローは、せっかくだから仕事をしようと思いついた。組織に帰りたいとも帰ろうとも思ってはいないのだが、万一回収された時には言いつけられた情報のひとつも持っていないことにはグランツフォルでの拘束・拷問・衰弱死よりもひどい目にあうことだろう。


「藍は、異世界と関係あるのですか?」

「あーそれね、長い話になるんだけど、短く言うと、私はファンデル侯爵家のハインツ・エッシェンフォルゲンの部下、ローエングリン家のハンス・ローエングリムに異世界から召喚されたんだね」


 内容は短いけど、固有名詞が長い。


「えーっと、エッシェンフォルゲン少佐のことですよね、エアハルト卿。

 ローエングリム卿は、少佐の副官ですね」

「そうだよ、んで、今は私の婚約者」

「ええー、それじゃあエッシェンフォルゲン少佐の奥さまは、一体誰なんですか」

「あー、それは、聖霊猫」

「え?」

「だーかーらー、聖霊猫は少佐の前世の奥さんで、猫を連れてきたのが私」

「え、えーっと……」


「もう一個チョコ食べる?」

「は、はい」


「えーっとね、最初から話すと、私は自分の世界の自分の家で、ソファに座っていたんだよね」

「はい」

「でね、聖霊猫のメイベルを抱っこしてた時に、なんか召喚陣に捕まったらしいのよ」

「はあ」

「で、気が付いたら、ほら、フローが座ってるそのソファね、それに座ったまま、ちょうどこの場所にいたって訳よ」

「こ、こ、このソファですか!」


 思わず立ち上がりかけたフロー。

「まあまあ、そのソファは座りやすいってだけで、べつに転移装置じゃないから。落ち着いて」

「は、はい」

 若干不安ながらも、座り直すフロー。 はずみでまた一個チョコを口に入れる。


 そろそろ鼻血吹くぞ~


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