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5.フローはむちゃくちゃ雑に送り込まれてきたんだねぇ

 

 せっかく情報タゲ・ドンピシャをゲットして、それが護衛もなく孤立しているのだから、拘束して尋問でもすればいいのに、なんか驚いているだけのスパイとか、どうなの?


「で、諜報員のフローは、どんな情報が欲しいの? 何でも教えてあげるわよ」

「待って、待ってください、エッシェンフォルゲン侯爵のご令嬢であられるのですか」

「養女になってるけど? なんか問題ある?」

「いえ、ありません!」

 フローは、事態が飲み込めないで、なんかアワアワしている。


 本当にスパイなのかね、キミ。


 潜入スパイと即席貴族令嬢は、なんだか困って顔を見合わせている。

「えーっと、フロー? フルリールの諜報員なんだよね、で、何を探ってくるように言われてんの?」

「はい、守護聖霊が顕現なされて一緒に居るという聖人が降臨して、エッシェンフォルゲン少佐の妻となられたという情報を確認することと、聖霊猫さまが姿を消してしまわれたというのが事実かどうかという二点です」

「そうなんだ、それでなんでこんなところから? 表から来ればいいじゃん、情報組織なんだから、正規のルートってか、貴族屋敷の使用人に伝手つてがあるんじゃないの? それを使って貴族家に仕えれば、だいたいわかるんじゃない?」


「はあ、あいつらはバカなんですよ。うちの国の情報部の上の方は、自己評価で天才の貴族のボンボンが支配してるんです」

「あー、なるほど」

「それで、末端組織の私のような者は、使い捨てだと思ってるんです」

「そうなんだね」

「で、正規のルート、ですか? そういう伝手は、貴族が使うのであって、私たちのような者はそれなりのルートでいいって訳です」

「それで、この山越えルート?」


「藍、そんな生易しいものじゃありませんって。

 精霊信仰のマニアックな信徒が顕現された聖霊様をお慕いして、何はともあれ、ご降臨の場所をひとめ見に来た、ってことらしいんですよ」

「へ~、ムリムリ~」

「でしょ、ですよね、アホばっかです」

「いやいや、突飛な設定すぎて、かえって成功するかもよ」

「そんなわけありません! 拘束、拷問、死ぬまで地下牢コースまっしぐらですよ」

「えーっと、あの王城に地下牢なんかあるのかー、そうかあ」

「突っ込むところ、そこですか?! それに、王城にあるのは貴族牢で、おまけに地下じゃありません! 私が入れられるのは第二層にある塔の地下牢です!」


 いやいや、まあ落ち着いて。 ん? 落ち着ける内容じゃないかな~



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