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18.で、何が起こったの?

 

 フローが好奇心満々で聞いてくる。

「お茶会で寄ってたかっていびられたんですよね?」


「いやー、そこまでもたどり着けなかった。お茶会なら、お茶ぶっかけてきたやつにクリームパイを皿ごと顔にお返しして、お茶をごちそうさまでした、パイをどうぞと言ってやろうと思っていたし、足出して転ばせようとしてきたら肩とって足払い掛けて押すでしょ、そうすれば尻もちつかせられるし」

「あ、はい、なるほど。確かにできるかもしれません」

「一応練習してきた。相手が貴族のご婦人なら何とかなると思う」

「こんど教えてください」

「いいよ。いろいろあるんだよ、一本背負いとか、袖釣り込み払い腰とか、形しかわかんないけど。向うから来てくれればすごく使えるよ、諜報員なら重宝するかも」


「あとは、ほっぺた張られたら、ぐーで殴り返すとか、フォーク投げられたらナイフ投げ返すとか、扇でぶたれたら右足をこう、軸に半回転して(寝たままだけどポーズ付き)鳩尾に肘を入れるとか、まあ、いろいろ準備してきたわけ。その場で返せば、さらなる攻撃を防衛する意図による正当防衛だからね。相手に先に手を出させることがコツよね、うん。

 あと、イヤミとかイヤガラセ攻撃できたら、白扇はくせんに名前を書いて、まあ、それがあなたのご意見ですのね、この世界のことがよくわからないわたくしにはすばらしいアドバイスですわ、すぐにもハンスとメイベルに知らせて、お礼をするよう伝えます、あ、ファンデル候夫妻、義父母ですけど、には、本日帰宅しましたらすぐにでも。失礼ですが確認のため、もう一度お名前をお聞きしていいですか、つーのをやろうと思ってたんだよねー。ほら、あっちの世界には真っ白の紙でできた扇ってのがある訳、ファウンテンペンっていう、インクを付けなくても書けるペンもあったりするわけよ。セリフそのまま書いちゃえるし、“虎の威を借りる狐”作戦~」


「はあ。まあ、地位もおありになるし、大体いけるでしょうか。そのペン、余分があったら一本いただけますか?」

「そのはずだったんだよね。でも、お茶会にすらならなかったんだー、あ、はい、このペンどうぞ」

「はあ。これがそのインクを付けないで書けるペンですか、ちょっと失礼します。あー、すごいですねこれ」

「それはボールポイントペン。手に持った扇なんかには書きにくいけどね」


 手の甲に字を書いてみたフローは、大した事なさそうなイビリの内容よりも新しいツールに夢中になりかけていた。


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