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13.赤裸々に明かされる、フルリール王の影の仕事

 

「えーっと、他所は知りませんけど、フルリールでは影の仕事といえば、筆頭公爵家の夫人の今日の下着の色とか」

「え、下着の色?」

「はあ。 ですから、夜会があったりすると、陛下が知りたがるんですよ。あの気取った女は何色の下着を着ているんだとか」

「はあー?」


「宰相の今日の朝食メニューとか」

「なにそれ。どこに情報価値が?」

「だから~、なんか面白くないことを言ってくる宰相が今朝何を食べたか知ってたら、チクチクイヤミを言われても、おまえ、朝オートミールとベーコンだったよな、俺はスクランブルエッグついてたからな、とか思うと我慢できるらしいです」

「平和な宮廷なんだねえ~、何か力抜けるわ」

「はあ、すいません」

「まあまあ、チョコどうぞ」

「あ、どうも」


「で、フローも伯爵夫人の今日のコルセットの紐の色とか調べてたの?」

「そういう事情で、本職の情報員が忙殺されてるわけですよ。だから、下っ端の組織がこういうことに」

「なるほどー、何か納得した」

「ですよね」


「売られてすぐ、下部組織が運営している酒場に送り込まれまして」

「それ、何歳の時?」

「十三でした」

「うーん、十三ならまあ、ありか。それでエール運んだりフライドポテト運んだりしてたのね」

「フライドポテトって何ですか? まあ、大体そんな感じで」

「で、たまに仕事に呼ばれた、と。あ、フライドポテトはさっき食べた、お肉じゃない方、細長い」

「あれもすごくおいしかったです、ありがとうございました。 仕事には呼ばれました。だいたいこーゆー訳わかんない設定背負わされて、ムリムリでしたけど、まあまあなんとかかんとか」


「特殊組織が公爵夫人の下着の色で、末端組織の買われてきた女の子が隣国の少佐の女房の身元調べかー、ダメだね、フルリール」

「だめですね」

「もう、生まれた村に帰ったら?」

「どこにあるかも知りませんって。受け取った金額を給与計算して見合うだけの年月が経ったら、その時まだ生きている者には迎えが来ると聞いてますけどね。本当かどうだか」

「ふーん、それって、売ったんじゃなくて、給金先取りで雇ってもらったんじゃないの? エグイわねー、売る方も買う方も、もうどうしようもないよね」

「その通りです。私もここで家出してていいでしょうか」

「そうだね」


 おいおい、家出娘がふたりかよ。それで当分キャンプしながら愚痴を繰り出し合って慰め合うってか。

 ま、いっか。


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