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12.今度は藍がフルリールの情報機関情報をゲットする

 

 食事が終わってゴミをひとつにまとめると、エネルギー・チャージもできたことだし、ディスりの再開となった。


「フローは、情報機関の下っ端なんだって? ねえねえ、どうやったら諜報員になれるの、ちょっと興味あるんだけど。どこかで募集してる?」

「藍、さすがにそれはないでしょう」

「えーっと、ごめん、私が住んでた世界には、スパイ小説ってのがあるのよ」

「諜報活動を小説にするんですか? まさか」

「いやいや、あるのよ。 元本物の国際スパイが書いた本までフツーに本屋で売ってるって」

「ええー」

「あとは、実際の国際犯罪を取材して、本書いて賞貰ってる人だっているし」

「よく生きてられますね」

「ま、ね。そういう世界なんだよ、命狙われる人も確かにいるけどさ。で、こっちはどうなの?」


「はあ、藍の世界ほど面白くありませんよ?」

「まま、チョコ食べながら気楽に話して?」

「まあ、チョコを勧められたら断れませんねえ。

 えーっとですね、私の生まれた村がそういう場所だったんです。祖父母も父も母も、全員、代々諜報員」

「えー、あるの?」

「あります。私がその生き証人」

「そっかー、私の世界にも昔あったよ、伊賀とか甲賀とかいう、諜報員を育成する、村ごと諜報員の村が、そう言えばあったわ。戦国だから、信長サマ以前で、えっと、四百年位前かな? もう歴史上の記述だからなー」


「でさ、フローの村はどこかの専属? 侯爵家とかが育成しているとか」

「そういう村もあります。でもうちは違うんです。育てたら売るんですよ」

「ええー、売られちゃうの? 人身売買じゃん」

「その通りです。子どもは五歳くらいで親から離れて集団で暮らすんですよ。その中で優秀な者から順に売られます。帰る場所がわからないように眠らされて、一番高い値を付けた家に売られて行きます。売られる前に一応話は聞かされるので動揺することはありませんけど」


「ひっどー、何それ何? 村ごと全部犯罪者じゃん」

「そーでしょ? そーなんですよ」

「で、で? 売られた先でキビシーいトレーニング?」

「え、いえ。売られたのは、フルリールの王城の王直属の諜報機関の」

「おお、盛り上がるね」

「影とか暗部とか言われてる、国内貴族の各家に送り込まれている情報収集組織がありまして」

「おおー、キタキタ、影! 常に王の影のように寄り添って、あらゆるところから情報を集めてサポートする、あの、影ね!」

「え? 何ですか、それ」

「え? 違う?」


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