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10.フローは、更に突っ込んでみる。情報収集というより、好奇心を押さえられないようだ

 

「それでですね藍、エアハルト卿の奥さまになられたのはその? 聖霊猫さま?」

「メイベル」

「え? 本当に? 猫を妻になさったので?」

「んな訳ある? メイベルは転生に失敗して、猫の姿になっていたらしいんだよね。

 少佐は、メイベルがどこかに転生したのだけはわかったけど、それがどこかまではわからなかった。んで、探したわけ、探しまくったらしいよ。

 嫁探しに必死になって使い物にならないってんで、副官のローエングリムが、何てったけ、えー、そうそう“嫁呼びの召喚陣”かなんかを作って、変な奴よね、あいつも、その婚約者になってる私だって大概だわ、まあいいけどそこは置いといて、メイベルを探し当てて召喚したら、人間と、聖霊猫が来ていた」

「はあ、そうでしたか」


「最初は、私が少佐の前世の妻だと思い込んだのね」

「それはそうなるでしょう」

「で、メイベルがめちゃくちゃ怒って、少佐が平謝り」

「え、かのエアハルト卿が、平謝りですか? 誰に?」

「だから、前世の妻で、今生の聖霊猫のメイベルに」

「はー?」

「メイベル、すごかったよ、女房の顔を見忘れたか、って。猫の顔なんだから覚えてるわけないのにさ」

「はあ」

「メイベルが怒ったら、少佐が土下座して平謝り」

「えーっと、ドゲザ? ですか?」

「うん、こう、両膝を折って、床に直接座るでしょ、それで、両手を前に出して、床に頭を付けて、すいませんでした! とか謝る訳よ」

「え? あのエッシェンフォルゲン少佐が? 人に謝ったんですか? いや、聖霊猫さまならあるのかしら?」

 フローの目が何だか遠くなっている。


「でさ、なんだかんだで、ローエングリムが解呪師を呼び寄せて解呪したら、メイベルがすっごいもう、超絶美人の女性になったってわけ。

 あの熱中高血圧ウザがらみは、解呪に成功したその直後、辛うじて婚礼用ドレスに着替える時間だけは待ったものの、なにしろ解呪直後は裸だから待つしかないけど、あいつなら毛布に包んで抱っこして結婚の宣誓だけさせかねないところをよくもまあ待ったと思うよ。とにかく、すぐさまメイベルと婚姻の式を挙げたんだよね。

 バーカ、がっつき男、余裕がないにも程がある」

「はあ。よくファンデル侯爵がお許しになりましたねえ」

「そうだよね、もう関係者全員が諦めの境地だったよ」

「はあ、そういうものですか」


 いやー何というか、関係者全員がメイベルを逃がしたら次はあり得ないってわかっていたんだよねぇ~。世界でただひとりハインツに謝らせることができる聖霊さまな訳よ。荒れ狂うハインツを押さえるより、結婚させる方が楽だった~、メイベルさま、あとはよろしく~。 丸投げ?


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