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●序

 日が昇り、一日が始まる。

 日が落ちて、一日が終わる。

 夜の帳は魔界の始まり。

 決して出歩いてはいけない。


 魔に囚われる。


 恐ろしい魔王が浚いにやって来る。

 眼を閉じ、耳を閉じ。声を聞いてはならない。

 その声は優しく惑わし、その姿は艶やかに誘う。


 決してその手を取ってはならない。

 それは人の『死』を意味するのだから。


「魔の時までには戻りなさい」


 親の言葉に子供たちは神妙に頷く。

 だが、その闇が本当に恐ろしいものであるか知る者は無い。

 知って、戻ってきた者は無い。




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