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8露店街



産業エリアの賑やかな露店街を歩きながら俺は目を輝かせて周囲を見渡す。




「確か…こっちの方面が食べられる系か」と伊吹さんが案内してくれた場所は、たくさんの食材や見慣れない食器の数々が置かれている場所だった。



 

色とりどりの食材や見慣れないが俺の好奇心を刺激してやまなく、俺は緑の布が特徴的な露店に足を止めた。


 

 

「いらっしゃい、若いの。今日は何を探しに来たんだい?」

 


 

店主は年配の男性で、にこやかに俺を迎え入れてくれたのだ。


 


俺は目の前に並ぶ鮮やかな紫色の葉を持つ野菜と透き通るような青い果実に興味津々で手を伸ばす。



 

「これは何ですか?」

 



「それは『リーフ』と『ブルーオーブ』だよ。リーフはシャキシャキとした食感が特徴で、ブルーオーブは果物だな」


 


俺はそれぞれを手に取ってみる。リーフの葉は瑞々しく、指先にしっとりとした感触が伝わる。ブルーオーブの果実は透き通るような青色で、手に取ると微かに甘い香りが漂ってきた。


 


 

「これらを使って、何か料理を作りたいのですが、オススメはありますか?」


 

 

店主は少し考え込みんで俺の質問に答える。


 

 

「そうだな。リーフを使ったサラダにブルーオーブのジュースを添えるといいだろう。さっぱりとしていて暑い日にはピッタリの一品さ」


 

 

俺はそのアドバイスを参考にさせてもらうことにした。




次に足を止めたのは精巧な装飾が施された食器を扱う露店。


 


銀色に輝くカトラリーや虹色に光るグラスが並ぶ中、特に目を引いたのは淡い緑色の陶器の皿だった。

 


 

手に取ると、表面には繊細な花の模様が浮かび上がり光の加減で色合いが変化する。店主によれば、これは「エルフの涙」と呼ばれる希少な陶器で最高なインテリアだそうだ。



 

「おーいモネ、これなんかも料理に使えるか?」

「どれですか?」

 


 

伊吹さんが叫ぶ方を見ると香ばしい香りが漂うスパイス専門がそこにはあった。見たこともない色と形のスパイスが瓶詰めされて並んでいる。店主のすすめで、「ペッパー」という黒い粉末を少し味見させてもらうと、ピリッとした辛さの中に深い旨みを感じることができた。


 

 

「これは胡椒に近いな。少し独特な風味があるかも」

 



店主は頷きながら説明する。



 

「そうだね、このペッパーは魔物の肉に振りかけると美味しくなるし、戦闘時には目つぶしとしても使えるんだ」



  

俺はその多用途性に驚きつつ、スパイスの世界の奥深さを感じ取った。


  


その後、生産組合へ向かい子供用の作業場を借りる手続きを済ませた。作業場は少し広めで俺には少し大きいくらいだったが、料理を作るには十分なスペースが確保されていた。


 


「納得いかない」




身長が足りないから子供が使う作業場を使うなんて…。



 

でも、大人用のキッチンなんかは下から見上げるくらいだったからこれでよかったのだろう。




「始めるか」

 



俺は市場で手に入れた食材を広げてコンロに火が起きるか確かめる。

  



他にも鍋やまな板、包丁などの手際よく道具を並べていく。俺はまずグリーンカレーで使うスパイスを調合することにする。




ー材料はこちらー

〈最初の露店で買ったもの〉

・ミカンとライムの皮  

・ワケギぽい何か 

・青唐辛子 

・米

 

〈薬屋で買ったもの〉

・バジル

・生姜

・ にんにく 

  

〈香辛料屋で買ったもの〉

・クミンパウダー 

・コリアンダー

・ペッパー

・塩


〈油専門店で買ったもの〉

ココナツオイル


〈伊吹さんが持参したもの〉

魔物のコカトリス



 

あとはナスとか野菜を少々買ったのだが、少し足りないものがあるがそこは割愛させてもらう。


 


「コリアンダーを荒く砕いてクミンパウダーと軽く混ぜるんだっけ?」うろ覚えの中、なんとか作っていく。


 

 

なんか料理が出来上がっているいくうちに周りがざわめくけど気のせいだよね。



 

一時間後 




俺が一生懸命作ったグリーンカレーを伊吹さんとChapさんに振る舞うことにした。




「出来上がりました。熱いうちに食べて下さい」

 



二人は緑色のスープに少し戸惑った様子だったがスプーンを手に取ってカレーをすくった。



 

まずは伊吹さんが一口、スプーンを口に運ぶ。



 

「う、うまい」



 

薬膳スープだと思って飲んだのに全然違うと伊吹さんは言う。旨みと辛みがうまくスープに溶け合っていて食えるそうだ。



 

次にChapが口を開く。




「…うん。確かに美味しい。でも、僕はもう少しだけ辛さがほしいかも」

 



意外だ。Chapさんは甘いのが好きだと思っていたのだが辛口でもいける口らしい。


 


「次回はもっと辛くしてみるよ」と美味しそうに食べてくれる姿に俺は嬉しく思うのであった。




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